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「恋する歯車」
投稿日 : 2014/09/08(Mon) 13:56
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:中西健二
脚本:池上純哉
音楽:海田庄吾
主題歌:「Round and Round」fumika
映倫:PG-12

<出演>
小澤亮太/黒川智花/池田純矢/清水一希/仁科貴/本田博太郎/勝野洋/光石研、他

2013年 東映
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Re: 「恋する歯車」
投稿日 : 2014/09/08(Mon) 13:58
投稿者 久保田r
参照先
 仮面ライダーやスーパー戦隊などの特撮ヒーロー作品を手掛けてきた東映による、次世代のヒーローを生み出すために立ち上げた新レーベル「TOEI HERO NEXT」の第3弾作品。主役は、『海賊戦隊ゴーカイジャー』でゴーカイレッドに変身するキャプテン・マーベラスを演じた小澤亮太さん。共演に、同じくゴーカイグリーンに変身するドン・ドッゴイヤーを演じた清水一希さんと、ゴーカイシルバーに変身する伊狩鎧を演じた池田純矢さん。脚本は、「アマルフィ 女神の報酬」や「任侠ヘルパー」の池上純哉さん。

 小説のような章立て構成となっており、第一章「警官の息子」第二章「父の親友」第三章「幼なじみ」第4章「リサ」第五章「革命」の五つの章から成るストーリー。弁護士を目指す学生の高岡祐市は、両親を突然の交通事故で亡くす。父親は元刑事で、警視庁きっての敏腕であったが、25年前に起きた事件をきっかけに辞職していた。祐市は喪失感から酒浸りとなり路地裏で喧嘩した帰り道、若い女性がふらっと現れ道路に立ち尽くし、トラックに轢かれそうになるところを助ける。彼女の名前は藤島リサ。二人は付き合い始め、祐市は自分を取り戻して大学へと再び通い始める。しかし、両親が死んだ事故に不審な点が見つかり…。

 シリーズ前2作は、仮面ライダーからの主役抜擢であったが、今作ではスーパー戦隊から。レンジャーキーを使って次々と歴代スーパー戦隊に変身してスカッと豪快に敵と倒す『海賊戦隊ゴーカイジャー』にてチーム・リーダーを演じたゴーカイレッドこと小澤亮太さんが主役ということで、彼が一体どんな表情を見せてくれるのか興味を持って見た作品。すると、見始めてすぐに分かるのだが『ゴーカイジャー』とは真逆の質の作品で、豪快さの欠片はなく明解さもなし。スカッとするどころか胸にもやがかかるような暗い気分になるストーリーで、警察という巨大な組織と過激なことを好む若者との間で揺れ、迷い、惑う青年が主人公という内容であった。

 前2作のような特撮っぽさもSFっぽさもなく、現実の世界にほど近い設定であるので、描かれている事態の重大さが想像しやすい面は一般的なサスペンスドラマのようでありつつ、しかし所々に見られる現実からかけ離れた雰囲気の架空めいた場所やシーン、倫理的にどうかと首を傾げるようなシーンがあったりで、そういった浮世離れ感は特撮っぽさを残しているようにも若干感じられた。作品名の「恋する歯車」という甘い響きからイメージする内容ではなく、ストーリーで描かれているのは主人公の青年の人生を抉る胸の痛い作品で、救いの感じられない点が残念だった。

 小澤亮太さんは、迷いに迷える苦悩の青年の祐市を自分のペースで精一杯に演じていたように思う。終盤には根性を見せて強いところも見せてくれた。祐市の友人役を演じた清水一希さんは、祐市を心配し励ます感じがよく伝わって来たし、過激な事を起こそうとする若者役を演じた池田純矢さんは、若者特有のキレっぽさをよく演じていた。『ゴーカイジャー』は子ども向け作品であったが、この作品は成人向け。PG-12指定ではあるが、精神的なえぐさを考えると親と一緒であっても小・中学生にはあまりおすすめできない。キャラクターと俳優のイメージを分けて考えられる人に。また鑑賞後のもやっとした後味も飲み込める人に。
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