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「アウトレイジ」
投稿日 : 2017/09/28(Thu) 13:38
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:北野武
プロデューサー:森昌行、吉田多喜男
脚本:北野武
撮影:柳島克己
美術:磯田典宏
編集:北野武、太田義則
キャスティング:吉川威史
音響効果:柴崎憲治
音楽:鈴木慶一
ボクシング指導:梅津正彦
メイク:細川昌子
記録:吉田久美子
照明:高屋齋
装飾:尾関龍生
録音:堀内戦治
助監督:稲葉博文

<出演>
ビートたけし/椎名桔平/加瀬亮/小日向文世/北村総一朗/塚本高史/板谷由夏/中野英雄/杉本哲太/石橋蓮司/國村隼/三浦友和/マキタスポーツ、他

2010年 R15+指定
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Re: 「アウトレイジ」
投稿日 : 2017/09/28(Thu) 13:42
投稿者 久保田r
参照先
 映画監督としても名高い北野武さんがヤクザ社会を描いた作品。脚本と編集をも手がけ、自身が主役としても出演。音楽は、「座頭市」以来のタッグとなる鈴木慶一さん。

 とある大きな屋敷での食事会の後、山王会若頭の加藤は、傘下の池元組の組長に村瀬組との付き合いを咎め、締めるように命じる。池元は、配下の大友組に仕掛けるよう命じ、大友らはさっそく行動を起こす。ポン引きに引っかかって客として入り込んだ店で法外な料金を突きつけられ、仕方なく事務所で支払うと言い、池元組の若い者を大友組の事務所へと連れて行く。その場は金を支払ったものの、この件が尾を引いて血で血を洗う事態へと発展する…

 何もそこまで…と思うような出来事も、その世界に生きる人にとっては何事にも面子がかかっており、やられたらやり返すの繰り返し。詰まるところタマを取るか取られるかの意地の張り合いで、いくら会長に詫びを入れたところで手打ちとはならず、それどころか会長までもが抗争に乗っかる始末。このような世界では策を講じて組織のトップに立つことができても、いつ寝首をかかれるか気が気ではなく、安眠できるのは棺桶の中ならまだしも土の中かもしれない…というような、命がいくらあっても足りない恐怖が所狭しと描かれている。

 北野武監督作品を鑑賞したのは2作品目。1作品目は、初監督作品の「その男、凶暴につき」で、実はビデオまで所持しているのだが、きちんと鑑賞したのはたったの1回。当時、あまりのバイオレンスさが生理的に受け付けられずその後の監督作品を見ることが出来なかったのだが、「アウトレイジ」がバラエティー番組などでよく取り上げられるため、あれから28年間、そろそろもう一度北野作品を観てみようかと思い立って鑑賞してみた次第。

 ヤクザは怖いとは知っていても、では具体的にどう怖いのかとなると例に挙げるのになかなか適当な作品が思い浮かばないのも事実。「仁義なき戦い」は有名作品ではあるけれども、いかんせん古い作品で40代以下の年代は見たことが無い人も多いかと。そこへ登場するのが当作品の「アウトレイジ」で、昔ながらの武闘派ヤクザを描きつつ現代的な金の稼ぎ方をも取り入れ、金よりも出世を如実に描いている作品になっているように思う。

 作品全体の色使いが綺麗。ヤクザ社会を視覚で分かりやすく演出する黒と白の配分が絶妙で美しい。カメラのアングルもお見事。また、俳優らの渋い演技の中に一瞬見え隠れする内心の表情も絶妙で、演じる人物を魅力的なものとしている。中でも色男振りを発揮している椎名桔平さんの静と動のメリハリのある表情が素晴らしい。惜しむらくは音楽。美しい旋律ではあるものの、主張がやや弱いかと。「仁義なき戦い」のメインテーマと張るほどの尖ったメロディーが欲しかったかもしれない。
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