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「家族の食卓」 柴門ふみ
投稿日 : 2007/12/14 16:59
投稿者 久保田r
参照先
 様々な結婚生活を描いている短編集。全3巻。決まった主人公は設定されておらず、20〜40代の働き盛りの若い夫婦とその家族がストーリーごとに登場し、様々な家族間の葛藤と問題を提示する。現代社会に於ける家族像が描かれている。

 家族というのは、傍から見ると一見幸せそうに見えるが、中に入って見るとそうではないことが多々ある。小さい頃は、隣の芝生は青い状態で授業参観などでクラスメイトの若いお母さんを羨ましく思ったりもしたが、それはほとんどの人に経験のあること。自分にとって家族が当たり前過ぎる存在である為に、他人の家族の方が問題がなさそうに良く見えてしまうという”羨望”というフィルターがかかっているから。どの家族も蓋を開けてみれば、大なり小なりの問題を抱えているのが普通。

 この漫画を読むと、離婚家族が多く登場する。それは、昔と違って現代は核家族が圧倒的に多く、夫婦間に問題が起こると即「離婚」に発展するケースが多い為だろうと思う。しかし、離婚したからとてあっさりと元の他人同士に戻れるわけではなく、子供がいれば子供を介してかつて夫婦だった男女の心が揺らぎ、そこに他人の家族には分からない当事者間の問題が生じる。そこにドラマが生まれるのだが、そのドラマは、かつて夫婦だった二人の大人と子供の運命まで背負う責任の重いドラマが繰り広げられる。

 子供には子供の人生があり、親には親の人生がある。そんな人生ドラマを短編という形で様々な切り口から読みやすく描いている作品。TVドラマ化もされている。独身男女の恋愛ストーリーのような熱い愛はないが、生きていくうえで最も長い時間一緒にいる家族愛の模索が描かれている。
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