「青田大学番外地」原作:吉村作治 漫画:金井たつお
投稿日 | : 2001/01/17 19:23 |
投稿者 | : F20! |
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この作品はあまりメジャーではありません
集英社のALLMANが創刊された頃に連載されていた作品です。
金井たつお氏の作品はよく集英社の青年誌で見かけられますが、ちょっとHな漫画が多いのに対して、
この作品はどちらかというと、原作の吉村作治氏の色が濃い作品です。
というか、吉村作治氏の自伝的色合いが強い作品ですね。
主人公の大川龍馬というエジプト研究者が母校の青田大学の非常勤講師として、
帰ってくるところから始まります。する事なす事破天荒で「非常識講師」と呼ばれる始末で、
融和を求める大学で孤立しつつも、
「学問が好き」というひたむきな情熱で学生達と向かいあい、
やがて周囲を巻き込んで学問に取り組んでいく、という内容です。
二人の作者は共に、「学生に学ぶことの喜びを知って欲しい」と言っています。
昨今の就職のための大学進学、ただ出席すればいいと言う考え方、毎年同じ内容の授業しかしない教員、
などの問題を抱える現代社会や大学のあり方を考えさせられる、とともに、
大学とは真に学問を学びたい人にとってこうあるべきだと呼びかけているような作品です。
原作の吉村作治氏はエジプト研究でも世界のトップレベルにあり、
エジプト考古学の入門書にもなるのではないでしょうか。
「動物のお医者さん」も大学の研究とはどういう感じかを紹介する良い作品ですが、
この作品もワタシ的には好きですね。
ただし、この作品を読んで大学生活に希望を持ってしまうと、
現実を見て逆に失望するかもしれませんが...