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「デザイナー」一条ゆかり
投稿日 : 2001/06/02 23:19
投稿者 久保田r
参照先
1976年7月10日(前編)8月10日(後編) 集英社 リボンマスコットコミックス

主人公の亜美は、トップモデルとして活躍していたが、自分を捨てた母親の正体を知った日に交通事故を起こして、モデルの道を断たれる。そこへ、大財閥の結城朱鷺が現われ、デザイナーとしてファッション業界へ返り咲くように亜美に勧める。その日から亜美は、自分を捨てた母親・鳳麗香と同じデザイナーとなり、母親を失脚させるべく復讐を誓う。復讐のためだけに生きて来た亜美であったが、いつしか亜美は、朱鷺を愛するようになる。そして、二人で愛を誓い、これが最後のファッションショーだと決めたその当日、二人の前に恐ろしい事実が発覚する。亜美と朱鷺は、鳳麗香が産んだ双子であった。朱鷺はそれを知りつつ、亜美の存在を利用して鳳麗香に復讐しようと亜美に近付き、亜美もまた朱鷺の力を利用して母親に復讐をしようとした。双子と知っていても亜美を愛した朱鷺。「誰にも邪魔されない、二人だけで暮らせる所へ行こう」と、朱鷺は亜美を抱き締める。だが、亜美は・・・。朱鷺との結婚を夢見て自分で作ったウェディングドレスを着て、自らの手でナイフを自分の胸に刺していた・・・。
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血の繋がり
投稿日 : 2001/06/02 23:20
投稿者 久保田r
参照先
華麗なファッション業界を舞台に描かれる、亜美という一人の女性の生きざまがここにあります。
この話を読んだ時、随分と濃い話だと思いました。初めて読んだ時私は子供で、話のドラマ性の根底にどのようなテーマが流れているか、といったようなことが何も理解出来ていませんでした。感じたことは、親に捨てられ、復讐をするというのは、私にはあり得ない話でありましたので、そう思う亜美の気持ちというのは一体どんな気持ちなんだろう、と考えて怖い気分になったことでした。
年を経て大人になってから読んでみて、亜美と朱鷺を取り巻く人間達の関係や必要性が分るようになり、子供の頃よりかは分るようになりましたが、このお話全体を理解するというのは、とても難儀なことのように感じています。
亜美は、亜美という名前以外、過去を持たない人間として一人で生きて来たのでありますが、母親の正体を知り、朱鷺と出会って復讐を誓った時から、人との触れ合いに積極的になったように思います。それまで一人で生きて来た時には、他人がどうしようと何の関心も持てずいたのが、自分を捨てた母親に復讐するという決意が生まれた時点で、その形はどうあれ母親との関わりを心にかけたことになり、そのために動き、考えた亜美の行動は、歪曲ながらも子が親に接しそれを乗り越えようとする精神の働きのようにも思えています。
愛を求め、デザイナーとして生きるよりもひとりの女として死を選んだ亜美。重く、ずしっと来る作品です。
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