小学館の少女漫画雑誌「別冊少女コミック」にて連載されていた４コマ漫画作品。単行本は、全7巻。

　少女漫画雑誌の４コマ漫画というと、ほんの息抜き程度の軽いコメディタッチのものが多く、強く印象に残る作品や長続きする作品というのはなかなかお目にかかれないのが実情だが、この「× ーペケー」に関しては、アクの強さが印象的というか、登場人物の通う高校の設定のリアリティさや、人間の内面の腹黒い部分などがコメディタッチに姿を借りて描かれ、４コマ漫画と言えども思わぬ奥深さが感じられる。

　下ネタや性描写や暴力表現などがあるので、作風的には青年誌に掲載されていても違和感がなかったように思う。また、４コマ漫画にありがちなデフォルメ化されたキャラではなく、8頭身に近いスマートなキャラで描かれ、女性も男性も綺麗な絵柄となっているので、４コマ漫画なのが惜しいほど。しかし、作者の作品の特長は、ネームがやたらと多いことで、４コマ以外の作品ではいささか読み難さが加わるので、スパッと描き切る４コマ漫画の方が却って作者の良さが表れていたようにも思う。

　割と気に入っている作品ではあるのだけど、でも少々毒気が効き過ぎているようにも思う。しかし、人間の裏面をクールな視点で描いているという点では、惹かれるところもある作品。

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