昭和61年8月10日初版発行　(株)徳間書店　アニメージュコミックス

原作者がコミックのために書下ろした、「銀英伝」で唯一のオリジナルコミックです。(原作の小説は、この後の1995年1月発売の徳間書店の単行本「夜への旅立ち」に収録されました）
ラインハルトの少年期が描かれていますので、ラインハルトもキルヒアイスも全体を通してやや幼い顔だちで描かれています。陰影の濃い絵柄と喜怒哀楽の表情をくっきりと付けた顔の表情が、原作の内容の濃さを醸し出しています。そして「銀英伝」では欠かすことの出来ない戦闘シーンもしっかりと描かれてあって、なかなかに読み応えのある1冊です。
「黄金の翼」といえば、陰の主役(?)クルムバッハ憲兵少佐の悪役振りが注目となりますが、悪役顔は悪役顔でも、OVAとは顔が異なった割と普通のおじさん顔で描かれています。OVAの方は、どう見ても本編には出て来ないでしょうといった風貌に石井康嗣さんの声の演技が光って、一度見たら忘れられない悪役として描かれていますが、コミック版クルムバッハの方は、いかつい表情の頭の固そうなおじさん顔で描かれています。OVA版をお好みの方には、コミック版の方は少々物足りないかも知れません。ですが、OVAよりはストーリーに溶け込んだ容姿ですので、一人浮かずにきっちりと全体の中で悪役を演じています。
巻末には、田中芳樹さんによる後書きと、「ぎんがえいゆうでんせつ本編ご紹介」という4コママンガが付いています。

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