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「完全犯罪 フェアリー」 萩尾望都
投稿日 : 2006/11/26 15:37
投稿者 久保田r
参照先
 1988年11月20日 (株)小学館 PFコミック

 ダンス漫画を描いている萩尾望都さんが、甲斐よしひろさんの曲からインスピレーションを受けて描いた漫画。作中にも「GOLD」という劇中劇が登場し、全編に渡って甲斐よしひろさんの曲を聞きながら読むストーリーとなっている。

 萩尾さんと甲斐さんはお互いにファン同士ということですんなり決まった企画のよう。萩尾さんは甲斐さんの作るドラマチックな歌のファンで、甲斐バンドのファーストアルバムのジャケットも描いている。今作品では、ミステリー仕立てのストーリーに甲斐さんの歌を絡め、躍動感たっぷりなミュージカル漫画を描いている。

 登場人物とストーリー設定は、確かに萩尾さんのものなのだが、進行に欠かせない甲斐さんの歌が随所で登場すると、ふっと空気の質が変わる。軽やかな元気のいい持ち味の萩尾さんのキャラクターが、甲斐さんの歌をまとって登場すると、新たな空気が生まれてストーリーがミステリアスな雰囲気を持って動き出す。殺人犯を探し出すというのがストーリーの軸なので、敢えてミステリアスな進行なのだと思うが、萩尾さんの絵と甲斐さんの歌という組み合わせ自体もミステリアスな組み合わせなので、両者による初のコラボレーション漫画は、読み手にとっても書き手にとっても新鮮且つミステリアスな試みということで、予想以上の楽しみを生んだ作品だと思う。

 巻末には、萩尾さんによる甲斐さんのアルバム紹介と二人の対談があり、漫画家とミュージシャンという異なるフィールドの二人が今回の作品が生まれた経緯などについて話している。収録曲は、以下の通り。

(1)冷血(コールド・ブラッド)(2)ランデヴー(3)悲しき愛奴(サーファー)(4)この夜にさよなら(5)三つ数えろ(6)ジャンキーズ・ロックンロール(7)フェアリー(完全犯罪)(8)No.1のバラード(9)GOLD(10)東京の冷たい壁にもたれて(11)悪夢(12)悪いうわさ(13)かりそめのスウィング(14)クール・イヴニング(15)聖夜(16)東京の一夜(17)翼あるもの(18)ナイト・ウェイブ(19)ダニー・ボーイに耳をふさいで(20)荒野をくだって(21)キラー・ストリート(22)奴(ギャンブラー)(23)地下室のメロディー(24)胸いっぱいの愛(25)思春期(26)夜にもつれて(27)漂泊者(アウトロー)(28)円舞曲(ワルツ)(29)そばかすの天使(30)レイン

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