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「銀河英雄伝説/英雄たちの肖像」 原作:田中芳樹/作画:道原かつみ
投稿日 : 2008/07/18 13:17
投稿者 久保田r
参照先
「第1巻」
2008年1月1日 (株)徳間書店 RYU COMICS

 キルヒアイスの死後から始まっているストーリー。リップシュタット戦役でラインハルトに味方したヒルダが主席秘書官となり、ラインハルトの代わりにアンネローゼのもとを訪れ、身辺警護の許可を取り付ける。一方、フェザーンの策略により、帝国の幼帝の誘拐計画が実行される。ラインハルトは、フェザーンの要求に対し、フェザーン回廊の自由航行権の提供を突きつける。自由惑星同盟は、亡命して来た幼帝を受け入れ、これにより帝国より宣戦布告される。そして、イゼルローン要塞のヤンのもとへ人事異動の命令が届き、ユリアンがフェザーンへと異動することになる。

 再始動した「銀英伝」のコミック。前作は"キルヒアイスの死"という大きな区切りのところで終了していたので、その後のストーリーを描くとなると長丁場が予想されるが、「1巻」を読むかぎりダイジェスト版的に大胆にテンポよくストーリーが運ばれているので、今後の壮大なスケールも案外と読みやすくまとまるかも知れない…と予測している。

 絵柄は、前作と比べると多少の変化が見受けられ、ラインハルトが少しばかりおっさんぽくなっている。これは、多分キルヒアイスの死があった為に完全に少年期を脱したからだと推測するが、アニメ以上に大人びて見える。反面、ヒルダは年齢よりも幼く見え、この二人が近い将来夫婦になるのかと思うと、少々外見にギャップがあるように思う。同盟軍側は、ヤンとトリューニヒトがわりと格好よく描かれている。

 「1巻」では他に番外編として「アッテンボローのお守りの鍵」という作品が収録されていて、アッテンボローの生い立ちが描かれ、楽天的な夫婦のもとで育ったアッテンボローが、父親から譲られた”お守りの鍵”をきっかけに士官学校に入りヤンと出会ったまでが描かれている。

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第3巻
投稿日 : 2013/10/11(Fri) 18:08
投稿者 久保田r
参照先
2011年4月1日 (株)徳間書店 RYU COMICS

 「神々の黄昏(ラグナロック)」作戦が開始され、イゼルローン要塞ではロイエンタール率いる帝国軍と迎え撃つヤン艦隊との戦いが続き、2000隻を超える被害艦数を出したロイエンタールはラインハルトへ「失敗」した旨の報告をする。しかしこれは作戦の内であり、報告を受けたラインハルトは意気揚々としてミッターマイヤーとミュラーに出撃を命ずる。が、ミッターマイヤーらが向かう先はイゼルローン回廊ではなくフェザーン回廊であり、フェザーンを制圧し、同盟領へ進攻するという作戦であった。かくしてフェザーンはミッターマイヤーの迅速な指揮のもとに制圧され帝国軍のものとなる。一方、同盟では来るべき大攻勢に向けヤンをイゼルローンから呼び戻す決断をする。

 イゼルローンでのヤン vs ロイエンタール、フェザーンでのユリアンの行動、ルビンスカヤ vs ルパート、自由惑星同盟の星図を見るラインハルト、そしてハイネセンの動揺…と、見どころたくさんの内容。中でも目先のロイエンタールと戦いながら戦局全体を念頭に置いて考えを巡らせているヤンの姿が見せ場であるし、イゼルローン攻略の作戦指揮を任されているロイエンタールの野心が徐々に表立って来ている点も見せ場。そして制圧される真っただ中でのユリアンの行動力も見せ場となっているし、暗い室内でラインハルトがたった一人で星図を見ている姿は私的に最も気に入っているシーン。

 それぞれの場所でそれぞれの要人がそれぞれの考えでそれぞれの任を全うせんと行動している様子が緊張感あるドラマを作り出している。直接相見えなくともそれぞれの場所で戦っているヤンとラインハルトの今後の行動が気になる。


<収録作品>
フェザーン占領 I/フェザーン占領 II/フェザーン占領 III/フェザーン占領 IV/明けゆく年 I/明けゆく年 II/ヤン提督の箱舟隊 I/ヤン提督の箱舟隊 II/ヤン提督の箱舟隊 III/ヤン提督の箱舟隊 IV
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第2巻
投稿日 : 2010/12/10 17:42
投稿者 久保田r
参照先
2009年7月1日 (株)徳間書店 RYU COMICS

 表紙は、サングラスを外して慌てた雰囲気のヤン・ウェンリー。カラーピンナップは、片膝を床に着き、優雅にかしずいているオスカー・フォン・ロイエンタール。この二人の姿が、第2巻の中味を象徴している。

 いよいよ帝国軍がフェザーン回廊を通って同盟領へと侵攻を開始する作戦「神々の黄昏(ラグナロック)」が始動。ラインハルトは、提督たちを集め、作戦の内容を説明する。その説明を聞いたロイエンタールは、「はたして上手くいきますかな」と発言する。

 イゼルローンでは、ユリアンがフェザーンへと行ってしまい、ヤン・ウェンリーは二日酔いでベッドから抜け出すことができない。起こしに来たシェーンコップに対し、ヤンは「本日は”シェーンコップの日”という祝日で休み」と宣う。

 フェザーンへ赴任したユリアンは、街の様子を観察。そして、パーティー会場で帝国軍がフェザーン回廊を通過すると発言し、その場にいたルパート・ケッセルリンクと議論となる。

 イゼルローン方面軍の総司令官に任命されたロイエンタールは、大軍を率いてイゼルローンに対し砲火を浴びせる。対するヤンは、旗艦ヒューベリオンを出して戦場を更に混乱させ、それに乗じてシェーンコップ率いる薔薇の騎士(ローゼンリッター)が、ロイエンタールの旗艦トリスタンに侵入する。シェーンコップ VS ロイエンタールの一騎打ち!

 「神々の黄昏(ラグナロック)」は、豪快な作戦であり、帝国に於いても同盟に於いても重要なドラマが次々と起こるので、「銀英伝」らしい壮大さであるとは承知しているのだけど、でもどこか寂しさが感じられ、実は私の中ではあまり気乗りのしない作戦。キルヒアイスはいないし、ユリアンもヤンから離れてるということがその理由とも思えるが、でも一番の理由はロイエンタールかと。”乱世の雄としての野心”の片鱗が表れ始め、その先の結末を知っているだけに悲しみが浮かんで来る。それがロイエンタールの魅力なのであるけれど…。

<収録作品>
変転する運命への序曲 I/変転する運命への序曲 II/変転する運命への序曲 III/シェーンコップの日/フェザーン駐在武官ミンツ少尉/鎮魂歌(レクイエム)への招待 I/鎮魂歌(レクイエム)への招待 II/鎮魂歌(レクイエム)への招待 III
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