2002年1月4日スタートの毎日新聞夕刊の4コママンガのコミック。小学2年生の男の子ユウヤと、5年生のアサカお姉ちゃんと、やさしいキョウコお母さんと、ちょっと太っているバンお父さんの大門一家を主役としたファミリーマンガで、周囲を取り巻く環境と愉快な登場人物が織りなすちょっと個性的な雰囲気のマンガとなっている。

　コミックの帯には「日本一カワイイ新聞4コマ」というフレーズが付いていて、確かにそうかも知れないなぁ…と感じるカワイイ絵柄とキャラ設定。作者の森下裕美と言えば「少年アシベ」を代表にちょっと風変わりなネタが多く、誰にでも受け入れられそうでいながらちょっと個性が濃いという印象だったのだが、この「ウチの場合は」は、広く万人受けしそうな柔らかさがある。森下裕美作品の入り口として入りやすい作品だと思う。しかしそれは「新聞4コマ」という媒体を意識しての作風だと思うが、これまでの新聞4コマにあったような当たり障りのない、その日限りのマンガではなく、きちんと登場人物と取り巻く人間関係にまで描かれてあるので、まとめてコミックで読んだ時に一つの作品としての進展があって面白い。作者の力量を感じることができる。

　かわいい子どもたちとやさしい両親というオーソドックスな家族設定だが、日々の生活のいろいろな角度に目線を向けて描いているので、刺激的な絵や展開はなくともほのぼのと読み続けられる楽しさが内包されている。日常生活のいろんなところに家族ネタが転がっている、家族っていいなぁ…と感じられるマンガ。

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