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「侵略の惑星」 アラン・ディーン・フォスター
投稿日 : 2005/05/09 22:26
投稿者 Excalibur
参照先
後ろ姿ながらルークとレイアと判るシルエット、そして奥に立つ姿はダース・ベイダー!
そんなイラストを表紙に持つこの本は、当時「これぞスター・ウォーズの続編だ!」と持て囃されたもの。著者のアラン・ディーン・フォスターは『スター・ウォーズ』のノベライズで、ジョージ・ルーカスのゴーストライターを務めていた人でもある。
奥付を見ると1978年7月刊行となっているから、本国で出版されて話題になってからそんなに経っていない頃、そして我が国ではようやく『スター・ウォーズ』が公開されようという頃だが、当時店頭で見掛けた記憶はなく、従ってその存在すら知らなかった。本家本元の続編『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』の公開が近づき、引合いに出されるまでは。早々に絶版になった本書を古本屋で探し出し、実際に手にとって読んだのはそれから何年か後のことである。
物語は『スター・ウォーズ』の数ヶ月後か数年後(現在の公式設定では2年後)。レイアとルークは惑星キルカルポスIV(現在は”サーカパスIV”と訳語を変更)の地下民族との、同盟軍拡大を目的とする会議へ出席する途中、空電と乱気流によるトラブルによって、地元ではミンバンという名前で知られている惑星キルカルポスV(同じく”サーカパスV”)へと不時着してしまう。そこには密かに帝国のエネルギー採掘場が設置されていた。ルークたちは、フォースを増幅するカイブール水晶(同じく”カイバー・クリスタル”)を手に入れようとする老婆ハラや奴隷として働かされている原住民、更には半人半獣の巨人たちと出会い、紆余曲折の末、地下に住む原住民たちと共に帝国に立ち向かうことになるというもの。
全体的にSFというよりもファンタジー寄りの作品で、フォースの使い手であるハラは正に御伽噺に出てくる魔法使いのお婆さんそのもの。原住民たちもどことなく妖精的な要素もある。最後にはダース・ベイダーも登場してルークと一騎撃ちを繰り広げ、物語には一応の決着がつく。これでシリーズ完結となれば寂しいが、こういう続編もあり得たという可能性の一つとしては、この展開も「あり」だと思う。実際『スター・ウォーズ』のヒットに自信のなかったルーカスの、低予算でも作れる続編を、というのが発想の原点だったそうだし。
ルークとレイアの関係、ベイダーの設定など後の作品群とは矛盾する展開もあるものの、コミック版(未読)刊行に際してはそのあたりに修正が施され、一応はシリーズの一本と現在でも認識されているようだ。
なおこの作品、ルークとレイア、ベイダーの他にC−3POとR2−D2(直接的には登場しないが、オビ=ワン・ケノービも)が出てくるが、残念ながらハン・ソロとチューバッカは登場しない。
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