世界の大都市で、一番最初に被害を受けたのは日本であった。そしてそれは徐々に世界中の都市を混乱に陥れてゆく。１９９９年１２月３１日から、２０００年１月１日へと日付が変った瞬間、コンピューターは次々とダウンし、通信も交通機関も麻痺し、送電設備も役に立たなくなり、事故が、暴動が起こってゆく。
マーク・ソルヴァング率いるソフトウェア会社ソルヴァング・ソルーションズは、このことを予期し世界中の「２０００年問題」解決に取り組んできていたが、米国防総省は自分達を優先するようにと圧力をかけてくる。
そんな時、南シナ海で米駆逐艦が国籍不明艦によって撃沈されるという事件が発生。何者かがこの混乱に乗じた陰謀を企む。世界は今まさに一触即発の危機に！
終わってみればさしたる混乱も無く、「泰山鳴動してネズミ一匹」の感もある「Ｙ２Ｋ」問題ではあったが、我々の生活が如何にコンピューターと密接に結びついているかを改めて知らされた、貴重な体験でもあった。今後これを教訓に生かしてゆければと願うが、おそらくは「喉元過ぎれば熱さを忘れる」・・・・。
そうならないためにも、もう済んだ事だと捉えずにもう一度立ち返る必要があるのかも知れない。本作も、近未来を舞台にしたサスペンス物としての耀きは、まだ失っていないから。

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