トップページ > 記事閲覧 
「さかなは さかな」 レオ=レオニ:作/谷川俊太郎:訳
投稿日 : 2007/08/28 15:15
投稿者 久保田r
参照先
 小4の息子が夏休み中に読む本として学校の図書室から借りて来た絵本。「かえるの まねした さかなの はなし」という副題が付いている。クレヨンタッチの絵がほのぼのとした明るさを出している絵本。

 池の中で一緒に成長したさかなとおたまじゃくしが、ある日、おたまじゃくしがかえるに成長して池の外のことを体験し、それに憧れたさかながかえるの真似をして池の中から飛び出すというお話。しかし、さかなは池の外では息をすることも動くこともできず、かえるに助けられて池の中へと戻り、水を得た魚のように元気に泳ぎ回り、言う。「さかなは さかなさ」。

 絵本なので淡々とした文章なのではあるけれど、読み返しているうちに色々なことが読み取れると思った。想像力を持つこと。見知らぬ世界へ飛び出す勇気を持つこと。自分とは違う特徴を持つ人を認めること。自覚すること。短いストーリーの中に幾つものメッセージが込められてあり、じーんと心が温かくなった。「受け入れること」の大切さが描かれてあると思う。

 イラストが、さかなとかえるの表情が豊かでかわいらしかった。外の世界を見たことがないさかなの想像する鳥と牝牛と人間の絵がユニークで、思わず微笑んでしまうほど。そして、お話の締めとなる最後のページの文学的表現が素晴らしく、何度も声に出して読み返した。人生において必要なことが、さかなとかえるに姿を借りて表現されていた。

記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -