「劇団ＪＯＥ　Ｃｏｍｐａｎｙ創立五周年記念特別公演」と銘打った２本立て公演。
どちらの演出も、座長である小野寺丈自身が担当。

ＡＣＴ１は「駆けてゆく　初夏のバラード」と題した小野寺自身の作。過去へのタイム・トリップ物は目新しくないが、吉田紀之、菅原ヒロシ、金井見稚子、寺西史剛ら出演者の熱演の賜物で、見応えのあるものになっている。

ＡＣＴ２は「今夜も眠れない」。こちらは高嶋政伸の作。ＴＶドラマ『ホテル』での共演が縁で実現。この組み合わせに興味があって、見に行こうと重い腰をあげたのだった。高嶋の力み過ぎの台本を、小野寺の演出が救ったという印象が強いが、それにしても舞台狭しと駆けまわり、客席の中まで飛びまわる小野寺丈に圧倒された。ヒロイン役の立原麻衣も好演。高嶋はナレーションで参加している。
なお両作品には、狂言廻し的な共通のキャラクターが登場（演じるのは藤野晴之）。これがなかなかとんでもない奴で、芝居を盛り上げてくれた。

追加公演だったが平日の昼間だったもので客席はまばら。「平日の昼間に芝居やってるなんて、オレ達ぐらいなもんだろうなぁ」「さみしいなぁ、平日の昼間にやるのは間違いだったかなぁ」ナドナド、アドリブをかましていた。

＜１９９１年６月、東京芸術劇場・小ホールにて＞

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