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「銀河英雄伝説/わが征くは星の大海」
投稿日 : 2003/02/20 23:25
投稿者 久保田r
参照先
 『銀英伝』最初の映画。ヤンとラインハルトが互いを認識するようになった「惑星レグニッツァの戦い」と「第四次ティアマト会戦」が収められた、いわば『銀英伝』の世界への入り口的存在の作品。時間は、約60分。

 ”こういうアニメを作りたいと思っているんですよ”というパイロットフィルムの意味合いを含めて作られたという作品だけに、『銀英伝』の旨味がギュッギュッギュ〜と詰まった、絵も音楽もとても見応えのある映画です。中でも、音楽と映像のバランスの取り方には特に注意が払われていて、スペースオペラらしい映画となっています。
 使用されている音楽は、こだわりを持ってクラシック音楽。プロローグ部分には、マーラー作曲の「交響曲第3番 第1楽章」が使われていて、屋良さんのナレーションと共に『銀英伝』の壮大な歴史の訪れを演出しています。
 続くシーンには、ラインハルトの登場に合わせてショパン作曲の「ノクターン第9番 作品32-1」が使われ、以後も各シーンに相応しい選曲がなされています。
 中でも私が特に気に入っているのは、ブリュンヒルトのイゼルローン入港シーンと、第四次ティアマト会戦のシーン。
 チャイコフスキー作曲の「白鳥の湖〜白鳥たちの踊り〜」に合わせてイゼルローンの流体金属の海に整然と入って行くブリュンヒルトとそれに従う帝国軍艦隊は、気品に溢れていて素敵です。バレエ音楽を意識した映像に感動します。
 ラヴェル作曲の「ボレロ」が延々と流れる第四次ティアマト会戦では、徐々に盛り上がって行く曲のテーマと戦いの緊張感が見事にマッチしていて、とても素晴らしい出来栄えです。序盤の静かな展開部では、砲火を交える前の同盟軍と帝国軍本隊の睨み合いの緊張感が、次第にテーマが高まって行く曲の佳境部では、戦いの激しさが存分に描かれています。ミュッケンベルガー元帥の思惑によって同盟軍の餌とされそうになったラインハルト艦隊の起死回生振りを篤と見ることが出来ます。
 音楽を後から作るのではなく、古くから有る音楽と映像をバランス良く組み合わせる作品。『銀英伝』は、クラシック音楽と映像のコラボレーションを楽しむ作品なのだな、と、感じました。
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