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「ガラスのジェネレーション」佐野元春
投稿日 : 2000/12/21 05:04
投稿者 ヒラク
参照先
初めて投稿させていただくことにちなみまして、高校時代に組んだバンドで初めてコピーした
「ガラスのジェネレーション」を紹介したいと思います。この曲は佐野元春の2ndシングルとして
1980年10月に発表されました。また2ndアルバム「Heart Beat」にも収録されています。

アレンジは佐野本人と「笑っていいとも」のオープニングテーマの作曲でおなじみとなった伊藤銀次
が担当していますが、当時としてはあまり一般的ではなかったサックスが取り入れられています。
このアルバムは全体を通してB・スプリングスティーンやビリー・ジョエルの影響がうかがえますが、
どうも伊藤銀次はそういった方向性に反対だったようで1stアルバムでもエルビス・コステロといった
ニューウェーブ系(懐かしい!)に傾倒しており、この曲もニック・ロウの「Cruel to be kind 」を
意識(?)したアレンジとなっています。(最近は「リスペクト」といいますね。便利な言葉です。)

この頃ぼくたちはサックスのパートは、さも当然とキーボードの担当にして平気で音色を変えて演奏して
いました。最近のアマチュアバンドはどうされてるんでしょう?けっこうサックスなど管楽器を演奏される
方も増えているようですもんね。まぁ当時はシンセサイザー全盛期ということもあったと思うんですが…。

さて歌詞なんですが、ぼくはしばらくの間気付かなかったんですが、この曲は全共闘世代との決別を唄って
います。なんといっても第二節は「さよならレヴォリューション」ですからね。さらに終盤では
「君はどうにも変わらない / 悲しいけれど」と続きます。かなり露骨ですね。しかし、当時新しい都市
生活者像を描き続けていた佐野にしてやはりこのテーマは素通りできない、言わばカタをつけておかなければ
ならないものだったのでしょう。ぼくはラヴ・ソングとして聴いてましたが、こう考えると、光GENJIの
「ガラスの十代」とは「ガラス」の意味がずいぶん違ってきますね。(当たり前ですね。…失礼しました。)

この曲はその後もライヴでくり返し演奏され、「敵」の姿の見えにくい現代においてなおプロテストする
存在としての彼の原点として今も重要な楽曲となっています。またこの頃からすでにギンズバーグ、バロウズ、
ケルアックといったビートニクスの影響もかいまみえることも興味深いです。つまりとてもクレバーでありながら
実はかなり、ひどく、相当にラジカルなミュージシャンなんです、彼は。

この曲を初めて聴いた中学生のぼくはラストのこのフレーズに引きずり込まれました。

       「つまらない大人にはなりたくない。」

                 ・・・なっちゃったけど。ふぅー。

なお「 Heart Land 」「 Moto Singles 1980-1989 」「 Golden Ring 」といったアルバムでライヴ・ヴァージョン
も聴くことができます。
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