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オールナイトニッポン 「宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち」
投稿日 : 2004/02/21 23:46
投稿者 Excalibur
参照先
テレ・フューチャー『宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち』放送前夜に、ニッポン放送が「オールナイトニッポン」枠で放送した特番。西崎義展プロデューサーをパーソナリティーにした4時間の生放送である。通常この手の番組は局アナなどのサポートが付くが、今回は全くなし(ただ番組提供クレジットの読み上げやイベントの告知は、はた金次郎アナのようだ)。ちなみにこの2週間ほど前には<宇宙戦艦ヤマト・フェスティバル>公開に関連した特番もあったので、一月に2回も「オールナイトニッポン」で『ヤマト』関連特番が放送されたことになる。

内容は放送に先駆けてのストーリー紹介(実際の放送用サウンドトラックを、西崎プロデューサーのナレーションで補足したもの)がメインで、合間にヤマトファンとの電話での交流を挟む形で進行。ゲストは主題歌を歌っているささきいさおと、新乗組員の古谷徹(徳川太助役)と古川登志夫(坂本茂役)の3人。これ以前そしてこれ以後の「ヤマト」特番が常に時間に追われた忙しない印象が強いのに対し、ほぼ全篇西崎プロデューサーのフリートークで進むせいか、凄くゆったりした聞きやすい番組となった。

番組中の西崎プロデューサーの発言の中から、いくつか注目すべきものを挙げておこう。
先ず作品の製作意図として「原点帰り」を強調していたが、その中で『さらば』や『ヤマト2』が理屈ドラマになってしまったことを反省点にあげ、「セリフよりも絵で見せる」作品作りを目指したというのは興味深い。後の作品でもこのあたりが上手く行ったとは思えないのが残念ではあるが。
また「暮から正月にかけて映画でやろうと思っていた」がそれに先駆けてTV放映することになり、その際に「本当は1時間58分あるんだけれども、TV局に怒られて1時間35分に切った」ので、そのカットした部分を含めて「お正月に映画でやる」と改めて劇場公開を強調。この劇場公開前提の作品作りだったことは、当時のヤマトファンでもあまり知られていないかも。結局それは実現しなかったが、具体的に配給会社との間で話が進んでいたのか、それともあくまでも西崎プロデューサーの希望というレベルだったのかは不明である。ただ仮に実現したとしても大規模上映は無理だっただろうと思う(実際この年の暮れには、夏に大ヒットした『銀河鉄道999』に、その前年に<東映まんがまつり>枠で公開された『キャプテンハーロック』をおまけにつけてのアンコール上映が、小規模ながら行われた)。
主題歌『ヤマト!!新たなる旅立ち』が大変な難産で、「リメンバー・ヤマト」というフレーズにどうしてもメロディが付けられずに悩んだ宮川泰が、この部分を外して欲しいとまで言っていたというのは、実際に歌曲の高い完成度を知るファンの立場からすると意外なエピソードだろう。
それよりも何よりも凄いのは、作品が完成したのが放送前日の(お昼の)12時35分31秒だった!という事実かもしれない(そのまま一睡もせずにスタジオ入りして番組に臨んだ西崎プロデューサーのタフネスぶりも凄い。音響監督や効果、編集のスタッフたちも一週間ほど不眠不休だそうな)。当初21日の放送予定だったものを10日間ずらしながらもギリギリの完成。松本零士が『999』で抜け、舛田利雄も『ニ百三高地』で抜け・・・という厳しい現場を覗わせるが、反対にのびのびと自分色を出してもいるようでもあり、全体としてまとまりがあるというか余裕のある作品になっているように感じられるのは皮肉か。


1979.7.31 TUE 1:00〜5:00 ニッポン放送

パーソナリティー:西崎義展
ゲスト(3:00までの出演):ささきいさお、古谷徹、古川登志夫 
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