2010年1月1日　エイベックス・マーケティング

（1）ドラマのあらすじ
（2）壮絶空中戦
（3）メインタイトル
（4）夏海の思い出
（5）ディケイドとクウガ
（6）J対ディケイド
（7）士の覚悟
（8）死神博士再び
（9）ユリコ
（10）ネオ生命体
（11）ライジングアルティメット
（12）仮面ライダーキバーラ
（13）士の物語
（14）スーパーショッカー
（15）タックルの思い
（16）士 再び
（17）スーパークライス要塞
（18）通りすがりの仮面ライダーだ
（19）ドラスとの猛攻
（20）荘吉ハードボイルド
（21）楽しい探偵事務所
（22）幽霊
（23）安心して待ってな
（24）幽霊とデスドーパント
（25）おやっさんと仮面ライダースカル
（26）クリスマス
（27）園咲家
（28）約束
（29）仮面ライダースカル
（30）ビギンズナイト
（31）戦慄のファングジョーカー
（32）フィリップ・マーロゥ
（33）2人で1人の探偵
（34）安紗美の決意
（35）荘吉との約束
（36）翔太郎の覚悟
（37）2人で1人の仮面ライダー
（38）ダミードーパント
（39）終わらぬ戦い
（40）MOVIE大戦
（41）ファイナルフォームライド
（42）ディケイドとW
（43）受け継がれる物語
（44）アクセル!
（45）Stay the Ride Alive (movie edit.)

音楽：中川幸太郎、鳴瀬シュウヘイ

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　劇場作品「仮面ライダー　W&ディケイド　MOVIE大戦2010」のオリジナル・サウンドトラック。映画は3部構成となっており、1部は「ディケイド／完結編」、2部は「W(ダブル)／ビギンズナイト」、3部は「W&ディケイド」による作品の締めくくりという内容。そのため当サントラも、映画と同じ3部構成をそっくり味わえる収録順となっている。

　「ディケイド」と「W(ダブル)」の音楽は、同じ人が担当しているのだが、作品の性格が違うように音楽の性格も異なっているため、音楽のみを聞いていても二つの作品の世界観が混同することなく聞き分けられるところが流石というか凄いところ。「ディケイド」は、積み重なる音の広がりに壮大さとロマンがあり、対する「W(ダブル)」は、作風のハードボイルドに合わせたジャズのテイストが渋い音楽。二つの異なった性格の音楽が、同じ音楽担当者により、一つの作品の中で見事にバランスよく響き合っているという素晴らしい出来のサントラ。

　私が「ディケイド」と「W(ダブル)」の両方の作品を好きだという理由もあるが、両作品の音楽を担当している中川幸太郎さんと鳴瀬シュウヘイさんの作り出す音楽が、実に私好みであるというが最も大きな理由。映像とシーンを盛り上げる華麗なサウンドは、単なる音の響きだけではなく、心の奥の情感を揺さぶる響きを持っているため、音にドラマがあり、音楽を聞いているだけで映像が目に浮かぶよう。美しさと感情の音の表現がまことに私好み。

　アルバム収録曲は、ほとんど全部が好きなのだが、特に気に入っているのは、（16）「士 再び」と（35）「荘吉との約束」の2曲。どちらもドラマの行方を決定付ける大事なシーンの音楽であり、（16）「士 再び」は、一度消えた筈の士（つかさ）が、仲間の思いに応えて再び現れるシーンの音楽。このシーンは、映像も美しく、士（つかさ）が思い出を通りすがりながら、ゆっくりと夏海たちのところへ歩いていくというシーンで、全てを受け入れ新しい一歩を歩き始めた士（つかさ）の温かい思いと未来への明かりが表現されている綺麗な曲。（35）「荘吉との約束」は、翔太郎の師の荘吉が凶弾に倒れるシーンの音楽で、荘吉の死を悲しく美しく彩っている切ない曲。荘吉が震える手で翔太郎の頭にソフト帽を乗せ、翔太郎が「おやっさーーーんっ！！」と叫ぶ悲痛さが伝わって来る。

　他にも印象に残る曲が一杯。ユリコことタックルのテーマも切なさと儚さが美しく表現されているし、ディケイドを倒すために変身した仮面ライダーキバーラのテーマも印象的。大人のライダーの渋さを表現した仮面ライダースカルのテーマもかっこよく、フィリップのテーマと掛け合わせた（32）「フィリップ・マーロゥ」もかっこいい。そして、ディケイドとW(ダブル)が共に戦う作品の終盤に流れる音楽は、どれも盛り上がる曲ばかり。中でも（42）「ディケイドとW」は、両作品の音楽の特徴が盛り込まれてあり、何気ないながらも聞き応えあり。作品を見てから聞くのがベストなサントラ。

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