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「交響組曲 宇宙海賊キャプテンハーロック」
投稿日 : 2002/01/30 22:45
投稿者 Excalibur
参照先
好むと好まざるとにかかわらずに<ポスト『宇宙戦艦ヤマト』>の性格を持たされてしまった、この『宇宙海賊キャプテンハーロック』という作品。当然のように音楽も『ヤマト』を継承した「交響組曲」となったが、『ヤマト』のBGMそのものはシンフォニーではなく後でアレンジして再構成したレコードがヒットしたのだから、実は『ヤマト』に先んじてBGMにシンフォニーを取り入れた番組というのが正しい。案外誰も指摘しない盲点である。
で、第1話冒頭から流れる雄大なメロディー。これが「序曲」を構成している<宇宙の海のテーマ>のパートなのだということは後で知るのだが、とにかくこの音楽を聴いた瞬間に「これは他の番組とは違うぞ」と興奮したことを覚えている(というより振りかえってみると、約1年間の番組の中でこれだけの期待感・高揚感を味わったのはこれが最初で最後だったのかも)。既に「交響組曲」として発売されることは知っていたので発売日が待ち遠しかった。放映開始が3月でレコード発売が5月とかなり間が空いていたので尚更である。しかし発売日当日に(いや前日だ)買って帰ったLPに針を落とした時には、待たされただけの甲斐はあったなとしみじみ感じていた。と同時に、このスケール感はTVの枠には収まりきらないなという漠然とした思いも抱いていたのである。
TVのBGMは数秒から数十秒、長くても1〜2分ぐらいでまとめられるのが普通である。ところがこの『ハーロック』のBGMは、「交響組曲」という前提からか全体的に長い。となると劇中での使用は細切れになることもしばしばで、一例を上げると「戦闘」という曲。これはイントロからジワジワと緊迫感を盛り上げ盛り上げ・・・て、一気に<宇宙の海のテーマ>、<ハーロックのテーマ(主題歌アレンジ)>、<マゾーンのテーマ>の3つのモチーフが絡み合って爆発するテンションの高い曲なのだが、劇中では序盤の前兆部分だけ流れてオシマイということも多くフラストレーションがたまった。このあたりは「TV番組のBGM」と「交響組曲」の相容れない部分だとも言えよう。
またLP購入当初、すべての曲がお気に入りだったわけではない。「序曲」「海賊船」「戦闘」などはリズムにも乗れたし馴染みのあるメロディーだということもあってスンナリ入っていけたのだが、大人しめの曲、例えば「愛」「寂光流離」などは正直言って退屈した。ところが年経るにしたがって、これがお気に入りへと変わる。それだけ自分も成熟したのだ・・・というのは自己満足だが。

「幻想軌道」と題された、松本アニメの音楽を集大成したコンサートが開かれたことがある。『ヤマト』や『銀河鉄道999』のシンフォニーが演奏される中にあって、何故か初の(正式な)松本アニメであるこの『ハーロック』のシンフォニーはオミットされ寂しい思いをした。そこでアンケートの「今後の演奏希望曲」という項目には「『交響組曲ハーロック』を」と書いた。
その願いが届いたのかどうかは定かではないが、翌年開催された「幻想軌道1999」では「序曲」と「海賊船」の2曲のみとはいえプログラムに取り上げられ、生で充分堪能することが出来た。初めて聴いてから21年経ち、改めて当時の感動が蘇ってくる想いであった。『999』や『わが青春のアルカディア』、『ハーロック・サーガ』等々ハーロックを表現した曲はいくつかあるが、やはりハーロックにはこのメロディーが似合う。願わくば今後の『ハーロック』映像化の際には、是非ともこの「交響組曲」、使って欲しいものである。
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データ
投稿日 : 2002/01/30 22:46
投稿者 Excalibur
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1.序曲 〜果しなき宇宙の海〜
2.海賊船 〜戦闘への船出〜
3.愛 〜愛、そして平和への祈り〜
4.惑星 〜全能なるマゾーンと女王ラフレシア〜
5.楽園 〜41人の海賊と猫と鳥と〜
6.戦闘 〜戦うハーロックとアルカディア号〜
7.寂光流離(さすらい) 〜悲しみ、怒り、そして旅立ち〜
8.終曲 〜歓びの讃歌〜

作曲/横山菁児
指揮/熊谷 弘
演奏/コロムビア・シンフォニック・オーケストラ
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