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「NHKスペシャル 海 知られざる世界」
投稿日 : 2010/09/17 17:45
投稿者 久保田r
参照先
第3集 めぐる生命の輪 深海に潜む不思議な生きものたち
2008年7月25日 NHKエンタープライズ

 全8集ある中から、深海の生物を扱った第3集を鑑賞。太陽の光の届かない水深200mより深海は、長い間、生物のいない死の世界と考えられていたが、研究が進んだことで、深海にも多様な生物がいることが判明。では、光のない世界でどのようにして生きているのか?をテーマとしている内容。

 アメリカ、モントレー湾に浮かぶベンタナ号。NHKの開発した特殊カメラを装着した機材が、深海の撮影へと向かう。水深200mを過ぎた辺りから透明で柔らかい体を持つ深海の生物が現れる。フリソデウオの仲間、オニキンメ、カブトケラゲの仲間、キヨヒメア・ウサギ、オタマボヤなど。水深400mを過ぎると、時には40mを超えることもあるというクダクラゲや、光る触手を切り離して逃げるニジクラゲが現れ、水深700mでは、イカとタコの共通の祖先とも言われるコウモリダコ、水深1000mでは、自分と同じ大きさの生き物を飲み込むこともあるというフウセンウナギが現れる。深海に生きる生物には、発光器官を持ったものがあり、逃げるための手段や、繁殖のためにおびき寄せる手段などに用いられている。

 海の生態系の始まりは、海面に浮かぶ植物プランクトン。植物プランクトンの光合成によってリンなどの有機物が作られ、植物プランクトンを食べた動物プランクトンのふんがマリンスノーとなって深海に落ちて行き、これによって深海の生物は有機物を摂取している。また、日中は、深海にいるオキアミは、夜になると海面へと上がり、植物プランクトンを食べて再び深海へと戻るため、オキアミによっても海面で作られた有機物が運ばれている。

 海面よりも深海の方がリンの量が豊富。植物プランクトンが光合成を行う際にリンを使うため、海面ではリンが少ない。光合成が行われない深海ではリンが溜まる一方だが、地球の随所に湧昇流があり、この湧昇流に乗って深海の水が海面へと湧き上がってくるため、多量のリンが海面へと巡るという地球規模の大きなリサイクルシステムとなっている。

 深海の生物を見たいがためだったのだけれど、後半は生物はどのようにして生きているのかという内容へと移って行ったので、若干私が求めていたものとはピントがズレていたが、でもNHKスペシャルらしく教育的な内容がふんだんに盛り込まれていて大変ためになった。中でも、生きるために欠かせないリンが、地球規模で巡っていることを知り、人間が生きるためには陸上だけではなく海も深く関係していることがよく分かった。
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