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「社長室の冬/巨大新聞社を獲る男」
投稿日 : 2020/09/20(Sun) 16:33
投稿者 久保田r
参照先
WOWOW 2017年4月30日〜5月28日放送

<スタッフ>
監督:村上牧人、山内宗信
プロデュース:東康之
原作:堂場瞬一
脚本:田中眞一、三浦駿斗
音楽:沢田完
制作協力:テレパック

<出演>
三上博史/福祉誠治/北乃きい/シャーロット・ケイト・フォックス/新納慎也/日野陽仁/西村元貴/中村敦夫/笹野高史/渡辺いっけい/小市慢太郎/正名僕蔵/南沢奈央/原日出子/窪塚俊介/中林大樹/斉藤陽一郎/田中泯/岸部一徳/阪田マサノブ/福澤朗/菅原大吉/森本レオ/津嘉山正種、他

第1話「黒船襲来」
第2話「革命の狼煙」
第3話「既得権益の崩壊」
第4話「全面戦争」
第5話「新聞の未来」
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Re: 「社長室の冬/巨大新聞社を獲る男」
投稿日 : 2020/09/20(Sun) 16:39
投稿者 久保田r
参照先
 全5話。創業120年の歴史を誇る巨大新聞社、日本新報の身売りを巡って巻き起こる問題を劇的に描写しているドラマ。主役は、身売り引き受け先の外資系企業の日本支部の社長を演じる三上博史さん。監督は、テレパック所属の村上牧人さんと山内宗信さん。音楽は、「ドクターX 〜外科医・大門未知子〜」のテーマでおなじみの沢田完さん。

 インターネットの普及により新聞紙の発行部数が年々減少している事態を受け、創業120年の歴史を誇る日本新報の社長は、身売りに向けて動き出す。身売り先は、かつて日本新報に勤めていた記者、青井聡太が日本支部の社長を務めている外資系企業AMCジャパンであった。青井は、身売りを引き受けるに当たって無理難題な条件を言い渡す。日本新報の社長の新里と青井は、青井がかつて記者だった頃にスクープを追うのを打ち切らせ、ネット事業部への左遷を言い渡した因縁の間柄であった。また、日本新報の身売りに最も反対していたのは、創業者一族であり個人筆頭株主でもある長澤英昭であった。長澤は、自身の人脈を頼りに政治家を巻き込んで身売り交渉の妨害をする。「何としても日本新報を獲る」と断固たる決意のもと、青井は巨大な敵に立ち向かう。

 鑑賞後の後味は、スカッとしたカタルシスが得られずやりきれないフラストレーションばかりが残ったという印象。どんな巨大な敵もどんな困難をも打ち倒して双方勝ちを掴み取るオチを想像していただけに、物足りなさが感じられた。因縁の政治家、三池高志を引退に追い込んだまでは良かったが、最大の敵である長澤英昭を倒す描写が一切なかったのが最大のフラストレーション。最後にナレーションだけで長澤の失脚を伝えて終了。長澤のスクープを誰が書いたのか、それが日本新報の記者であったのならそれこそがジャーナリズムの骨頂と言えるだけにこの描写がなかったのは実に残念。

 見るべき点は、三上博史さんのお芝居。主人公、青井聡太のカリスマ性を全身で表現している。目的のためなら時に手段を選ばない強引さと人を惹きつける吸引力。喜怒哀楽の全てがジャーナリズムに向かっている姿は、主人公の人生を物語っていて見応えがあった。三上博史さんを見るためのドラマと言い切っても良いほど。

 登場人物全員が敗者となる結末は、日本のドラマでは珍しいことなのでその点は評価。そして最後の最後にタダでは転ばない男、青井聡太が中国企業の依頼を受けてAMCの買収に向けて交渉の席に着くシーンだけは救いがあった。
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