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「エリア88」
投稿日 : 2020/10/12(Mon) 16:20
投稿者 久保田r
参照先
2004年1月9日〜3月26日 テレビ朝日、アニマックス

<スタッフ>
監督:今掛勇
原作:新谷かおる
プロデューサー:河野勝、成毛克憲、本地大輔
製作指揮:田代敦巳
総作画監督:神志那弘志、倉田綾子
キャラクターデザイン:神志那弘志
メカニックデザイン:佐藤道明
シリーズ構成:大野木寛
演出協力:高橋良輔
撮影監督:舘信一郎
音楽:三宅一徳
音響監督:矢野さとし
主題歌:「MISSION(FUGA)」angels、「戦場のダンス」寺田恵子
アニメーション制作:グループ・タック
制作:テレビ朝日、88製作委員会

<キャスト>
風間真:子安武人/新庄真:三木眞一郎/サキ・ヴァシュタール:高橋広樹/ミッキー・サイモン:関智一/グレッグ・ゲイツ:高塚正也/キム・アバ:広橋涼/ラウンデル:服巻浩司/マッコイ:大塚周夫/フーバー・キッペンベルグ:藤本たかひろ/キトリ・パルヴァーネフ:小林沙苗/ボリス:秋元羊介/キャンベル;田中大文/神崎悟:緑川光/パトリック:リード:桧山修之/津雲涼子:雪野五月/安田妙子:山崎和佳奈/津雲善三:宇垣秀成、他
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第6話 孤独の交差点
投稿日 : 2021/09/17(Fri) 17:46
投稿者 久保田r
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 風間真の次の愛機となる新機体が届き、真は慣熟飛行へと飛び立つ。同じ頃とある空港から大和航空の旅客機が飛び立ち、パイロットは真のかつての親友の神崎悟であった。空に思いを馳せる真の脳裡には、愛する女性、津雲涼子との出会いが蘇る。日本でずっと真のことを待ち続けている涼子は、真が育った施設に寄付をしていた。地中海に雨が降り、神崎の操縦する旅客機は軍事エリアのギリギリのところを高度を下げて飛行。一方、仲間の捜索を終えた真は、基地への帰投のため雨雲の中へと突入。そこで両機はニアミスをする。

 6話目にしてようやくストーリーの核となる風間真と神崎悟と津雲涼子の関係がクローズアップ。これまでの前振りから三者の関係は予測がついていたものの、やっとはっきりとした描写で見ることができたというところ。涼子に会うために日本に帰る執念を抱く真の表情と、野心さが垣間見える神崎の表情と、真のことを思う気丈夫な涼子の表情とがタイミングよく描かれてあり、それぞれが孤独の中で抱えている思いが大空で交差している良い描写だった。

 真に興味を抱くキトリと、神崎の依頼で真のことを撮り続けている新庄真が、それぞれの思いで真を見つめているのも印象的。そして、真と涼子の出会いのシーンが初々しくて切ない。
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第5話 勝ち気なルージュ
投稿日 : 2021/09/06(Mon) 16:26
投稿者 久保田r
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 交戦中、危機に陥ったキムは識別コードのない機体から発射されたミサイルで救われる。その機体のパイロットは若い女性で、エリア88の基地司令官のサキのいとこのキトリ・パルヴァーネフであった。彼女の着任により基地内は騒然となったが、風間は興味を示さずにいた。作戦が発令されるも、機体のない風間と着任早々のキトリは待機を命ぜられる。だが、キトリは現れた敵機に反応して単機で出撃する。彼女を援護するために風間は基地に残っていた武装不十分な機体で出撃する。

 男ばかりの基地に突如若くてキレイな女性がやって来たら、それはもうそれだけで浮き足立った空気になるのは当然のこと。こぞってプレゼントを渡す光景は滑稽そのもので、彼女の一言でみんなでシャワーを浴びるシーンなんかは呆れ半分、可愛さ半分。そんな中、クールな態度を貫き通す風間の姿は異質な存在として映るのは当然のことで、キトリは始めから風間に興味を示すという流れはセオリー通り。

 キトリが風間に対してどのような態度を取っていくのかは今後のシナリオ次第として、それよりも今回は飛行シーンとアクションシーンが多かったのが一番のポイント。キトリ登場の序盤から、終盤の20mm機関砲のみで撃墜する風間の凄さまで見どころ多数。基地を飛び立つ多数の戦闘機の迫力と美しさが描かれている。

 さて、キトリではないが、飛ばない風間の姿はどことなく寂しげ。やはり大空を飛んで欲しい。
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第4話 裏切りの空
投稿日 : 2021/09/03(Fri) 17:08
投稿者 久保田r
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 敵の機体が新しいものとなっため、エリア88のエース・パイロットの風間真は手ぶらのまま帰還することが多くなった。ある日、出撃した風間は撃墜されパラシュートで脱出する。落下した場所は死のリビア砂漠で、折しも砂嵐が吹き荒れていたため基地は捜索隊を出すことも出来ず、風間はたった一人で砂漠の中で一夜を過ごすことになる。激しい砂嵐の中、風間の脳裡には神崎との思い出が蘇っていた。

 風間真がエリア88に来ることになった経緯が描かれている内容。誰よりも優秀なパイロットでありながら敵の新型機に撃墜され、一面が砂だらけの場所で苦い過去を思い出しては、どんなことがあっても必ず生き残ってみせると固く誓う風間の強烈な孤独感が切々と描かれている。

 風間をエリア88に追いやった人物は、かつて仲の良かった神崎という男。風間は神崎の裏切りに遭い、アスラン王国の外人部隊へと入隊させられた。そのため愛した女性、涼子と離れ離れに。風間は神崎への憎しみを糧に生き続ける。

 一見クールに見える基地の連中の風間への仲間意識の表れが印象的。風間への信頼度が窺える。
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第3話 蒼空のファインダー
投稿日 : 2021/09/02(Thu) 17:22
投稿者 久保田r
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 ある夜、風間真とキムが飛んでいたエリアに輸送機1機と護衛機4機という編隊が現れ、二人は攻撃を開始する。戦闘中に被弾した真の機体は急降下したが、間一髪のところで機体が持ち直して事無きを得る。翌日、ランディが昨晩の輸送機の件で儲け話を基地に持ち帰り、情報を聞いたパイロットたちは我先にとゴールド捜索に飛び立つ。ミッキーと共に基地に残っていた真は、カメラマンの新庄真から「俺を乗せて飛んでくれ。あんたの空を撮りたいんだ」と持ちかけられ、レンタルした非武装のファントムに新庄真を乗せて飛び立つ。

 風間真の境遇が見え隠れしている内容。被弾して墜落しそうになり、いつになく動揺している表情や、美しい女性の顔がイメージとして表れたり、カメラマンの新庄真の何かを探っている行動など、風間真を取り巻く境遇が思わせぶりに描かれている。

 いつも無口でクールに決めている風間真の動揺や苦悩のシーンは、彼の人間性が窺える興味深い描写。それと並行して他のパイロットたちが一斉に儲け話に飛びつくシーンは、風間真のクールさがより一層際立つ対照的な描写となっていてよかった。パイロットたちのたくましさが窺えるエピソード。

 ラストの新庄真の「あんたの欲しい1枚はまだだぜ。神崎さん」の台詞は、今後を示す意味深なキーワード。
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第2話 夕日の墓標
投稿日 : 2021/06/25(Fri) 17:00
投稿者 久保田r
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 エリア88より出撃した数機の戦闘機のうち、たった一機だけが基地に戻る。生還したパイロットの名はボリス。対地戦闘の天才であるが、いつも一人だけで帰還するため「死神ボリス」と呼ばれていた。敵の補給基地攻撃のブリーフィングの際、ボリスが出撃に立候補する。皆、一緒に出撃するのをためらう中、風間真とキムが手を挙げる。向かう補給基地は、目標地点手前で以前出撃した基地の仲間が全機撃墜された難関とされる場所であった。

 今回の主役は「死神ボリス」。戦場には付き物の「死神」にスポットを当てたストーリー。ボリスは、その呼称から常に孤独で、表情は沈んでおり、死んでいったパイロットたちを思い出すことから美しい夕陽を見れない。夜は、部屋の灯りを消すことができず、死んだ友人を夢に見てうなされる日々。カメラマンの新庄間は、そんなボリスの表情を撮り続ける。

 ボリスとて友人の死がなければもう少し活気のある人生であったと思うのが、だが常に命の危険と隣り合わせの戦闘機のパイロットともなると、皆大なり小なり同じような悲しみを抱えているのではないだろうか…と感じたストーリーだった。死神と共に出撃し、友人のもとに旅立ったボリスの代わりに生還した風間真とキムは、生き残った者の業としてまた一つ悲しみを増やして生きていく。戦場で生きることの切なさが描かれている。

 風間真の「死んでいくんじゃない。殺されるんだ」の台詞が印象的だった。
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第1話
投稿日 : 2020/10/12(Mon) 16:26
投稿者 久保田r
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 漫画家、新谷かおるさんの作品をTVシリーズ・アニメーション化。アニメ化は二度目であり、一度目は後に映画版にもなった全3話構成のOVAにて。TV版ではオリジナルキャラクターの新庄真の回想録を軸として、アスラン王国空軍基地外人部隊「エリア88」での様々な出来事が描かれている。

 私はOVAをビデオテープで持っており、DVDで再鑑賞しようと捜していた時に発見したのがこちらのTVシリーズ版。OVA版のDVDは「ACT I」と「ACT II」がまとめられた映画版しか現在は存在しない模様で、本心は全3話構成のOVA版を見たかったのだけれど、TVシリーズ版もなかなか良い声優さんが揃っているし、全12話に渡ってどのように描かれているのか興味を持ったので鑑賞することに。ちなみに原作は未読。余談になるが、絵柄を気に入っていた私は中学生の頃に「エリア88」のペンケースと下敷を使っていた思い出があり。

 さて第1話は、TV版オリジナルキャラクターである戦場カメラマンの新庄真の回想シーンからスタート。「真、お前は今でも飛んでいるのか?あの悲しい青空を…」という台詞の後、戦闘機のアクションシーンへ。迫力あるスピードの中激しいバトルが繰り広げられ、パイロットの風間真は4機のうち3機を撃墜、1機は離脱するという戦績を挙げる。この序盤のインパクトは十分で、静から動への鮮やかな切り替わりと共に、紙に焼かれた写真と高速で飛ぶ戦闘機との静と動の同居が映像の魅力であることを伝えている。

 エリア88を訪れた新庄真は、部隊内唯一の日本人パイロットの風間真と会うと「日本人のあんたが、何のために命を懸けているんだい?」と問いかける。風間真はそれに答えず立ち去る。この疑問こそが作品の拠って立つところ。戦争を放棄した国の人間が、どんな理由で報奨金稼ぎの戦闘機パイロットになったのかが最大の謎。この謎を追うと共にエリア88で起こる様々な出来事に興味が募る。
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