1999年8月17日　NHK BS2（90分）

ナレーション：濱田雅功／インタビュアー：笑福亭鶴瓶

＜コメント出演＞（登場順）
小林よしのり／明石家さんま／CHAGE／萩原健太／永井美奈子／中山秀征／松藤英男／大森信和／田中一郎／宮沢正明／小室哲哉

＜曲目＞（オンエア順）
（1）「ブライトン・ロック」／'87年　THE BIG GIG　都有5号地(新宿副都心)
（2）「ポップコーンをほおばって」／'78年　サーカス＆サーカス　日比谷野外音楽堂
（3）「バス通り」／'95年　THE SINGER　日本武道館
（4）「裏切りの街角」／'75年1月3日　TVK「ヤングインパルス」
（5）「テレフォン・ノイローゼ」／'86年　"Party"Final Concert Tour　日本武道館
（6）「最後の夜汽車」／'78年　サーカス＆サーカス　日比谷野外音楽堂
（7）「きんぽうげ」／'80年　100万＄ナイト　日本武道館
（8）「氷のくちびる」／'77年　サーカス＆サーカス イン サマー　渋谷公会堂
（9）「そばかすの天使」／'77年　サーカス＆サーカス イン サマー　渋谷公会堂
（10）「翼あるもの」／スタジオ収録
（11）「HERO〜ヒーローになる時、それは今〜」／TBS「ザ・ベストテン」
（12）「感触（タッチ）」／'86年　"Party"Final Concert Tour　日本武道館
（13）「ビューティフル・エネルギー」／'95年　THE SINGER　日本武道館
（14）「安奈」／'80年　100万＄ナイト　日本武道館
（15）「破れたハートを売り物に」／'81年　大阪花園ラグビー場
（16）「BLUE LETTER」／'86年　"Party"Final Concert Tour　日本武道館
（17）「ダイナマイトが150屯」／PV
（18）「フェアリー（完全犯罪）」／PV
（19）「漂泊者（アウトロー）」／スタジオ収録
（20）「風の中の火のように」／PV
（21）「LOVE is NO.1」／PV
（22）「ティーン・エイジ・ラスト」／'96年　THE BIG NIGHT　日本武道館
（23）「Tonight I need your kiss」／PV
（24）「KI-RA-ME-I-TE」／PV
（25）「Against The Wind」／スタジオ収録

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　デビュー25年の「甲斐よしひろ」をまとめて紹介した番組。20年でもなく30年でもなく、25年というところに彼らしさを感じる。
　昨今は、あまり抵抗なくテレビ出演しているように見える彼なのだが、昔はテレビ嫌いとして有名だった人だけに、そのうえテレビでは放送が難しい歌詞があるとして、長らく放送禁止の曲があったために、民放はもとよりNHKから彼の歌声が流れるなんて夢のような人だっただけに、この番組があると知った時は凄く驚いた。さすが、衛星放送といったところ。インタビュアーの笑福亭鶴瓶氏との仲も良く、終始気分の良い雰囲気で進められているのが良かった。彼が長い間テレビというメディアに対して求めていたのは、こういう空気だったのではないだろうか。お仕着せではなく、映す側と映される側のコミュニケーションの深さ。画面に映らない部分にまで流れている親密な空気は、見ている側としても気分が良かった。
　ナレーション、インタビュアー、コメント等の発言があるものの、歌手として生きて来た彼らしく、言葉としての説明は最小限に、ライブ映像を中心にデビュー曲から最近の曲まで紹介しているのが良かった。「男は黙って○○ビール」じゃないけど、歌って来たことに誇りを感じている彼の生きざまを感じるには、これが一番良い方法だと思う。歌と共にパーッと蘇る、時間内では到底語り尽くせない当時の思いを、そこに感じることが出来る。
　ビデオでコメント出演した人達にもそれぞれに思い出の曲というものがあり、いかに彼が多くの人の心に残る歌を手がけて来たのかが分かる。今回ビデオを通して久方ぶりに甲斐さんの歌を聞いた私も、歌が始まると自然に歌詞が口をついて出て、いつの間にか画面の彼と一緒に歌っていた。長い間歌い続けて来た彼の軌跡に触れた感触（タッチ）だった。
　20代、30代を越え、表現者としての醍醐味を感じるようになって来た、と、語っていた彼。時代と共に走り続けて来た彼の歩みは、年齢に合った表現によってこれからも自分自身のスタイルで歩んで行くのだろう。「自分探しの旅」。その答えを見つける日まで・・・。

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