「イッセー尾形ベストコレクション2004 老ロッカー編」
投稿日 | : 2006/09/20 14:44 |
投稿者 | : 久保田r |
参照先 | : |
2005年3月16日 ポニーキャニオン
<収録演目>
「世界のみなさんコンニチハ」
「キルケゴ〜ルはつづくよ」
「老ロッカー」
「チェロを弾く女」
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今回の特徴は、イッセー尾形が楽器を弾いているということ。後半2作が音楽ネタで「老ロッカー」ではギターを、「チェロを弾く女」では文字通りチェロを弾いている。弾くフリをする演技ではなく実際に弾いているので、イッセー尾形のもう一つの才能を見た思い。ギターもチェロも巧みに弾いている。
今回も各演目のキャラクターがよく作られていて、それぞれが笑える。「世界のみなさんコンニチハ」では、とある外国の空港の一室に見張り付きで閉じ込められる青年という設定で、言葉も通じず不安ばかりが募り、気持ちを紛らわせるためにそわそわと饒舌になっているキャラクターを演じている。ある意味自嘲的なネタで、他人事に思えないところにおかしさがある。
「キルケゴ〜ルはつづくよ」は、日本の田舎の山に住む怪しい男の役で、インターネットに「自分を変えませんか」という広告を出して集まって来た人に対して色々と精神的なことを説いてお金を払わせようというキャラクターを演じている。男の言っていることにはどこか一理あり、ムっと来るとそれは男の手管に乗ったことになるので、関わり合いになりたくない厄介な男を演じている。
「老ロッカー」は、老いたロックンローラーのことで、イッセー尾形が巧みにギターを弾いて老ロッカーを演じている。台詞というものはほとんどなく、歌がメイン。おそらく歌詞をきちんと聞くとこのネタの良さが分かるのだと思うけれど、ライブ特有のエコーのかかった歌声のためにきっちりと聞き取ることが出来なかった。このネタの良さを知るには、何度か繰り返し見る必要があるかも知れない。
「チェロを弾く女」は、保育園の卒園式後の謝恩会に呼ばれたカルテットの一人というキャラクターで、メンバーの誰よりも早く会場に付き、メンバーを待つ間に子供たちにチェロを使って「牛若丸」の話をするというもの。鳥の鳴き声や弁慶がなぎなたを振る音などチェロで効果音を奏でているので、これまでのネタと一風変わっていて面白い。「老ロッカー」よりも入りやすい音楽ネタ。