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「工場萌えな日々」
投稿日 : 2009/07/16 13:19
投稿者 久保田r
参照先
2006年12月22日 エースデュースエンタテインメント

 ブログ「工場萌えな日々」から端を発し、テレビ番組「タモリ倶楽部」にて有名となった工場の風景のみを収めたDVD。収録されている工場地帯(地域)は、川崎、京葉、奥多摩、安中、横浜の5ケ所。

 冒頭は、淡々と語る女性のナレーションに乗って主に夜景の綺麗な工場の画像がスライドショーとなって映し出され、工場の音と時には緩やかな音楽の調べに乗って、それぞれの工場の表情が綴られていく。

 川崎では、高速道のような道を走行しながら工場地帯を撮影しており、また京葉では、船に乗って海上から撮影しており、どちらも物悲しい旋律の音楽がBGMとして流れていて、まるで映画のイントロダクションのような雰囲気をまとっている映像。

 奥多摩は、山間にある工場を撮影しており、「ジー、ジー」とセミの鳴く声と工場の唸り声がこだまするような響きが印象的。工場のすぐ横には川が流れ、工場の階段の踊り場の屋根やトタンで出来た建物の屋根などに植物が生えてあり、植物の生命力の強さが窺えた。

 安中は、郊外の丘陵に工場が建っており、その工場が突出しているような印象を受けた。夜の明かりが綺麗だった。

 横浜は、場所的な問題からか遠景が多く、工場の音もなくBGMのみ。明け方もしくは夕暮れの薄暗い中での工場の風景と、ライトアップされた夜景がやけに美しく映しだされていた。

 全体を通して共通しているのは、敷地外からの撮影となっていて、内部の映像はなし。ひたすら1枚の写真を鑑賞するが如く一歩引いた視線で捉えられてあり、どこか一箇所に向けてズームインするといったこともなく、ともかく工場という建物、建造物を外から観察する愛でるといった趣きの内容となっている。

 確かに工場には、人心を惹き付ける何かがある。圧倒的な高さと大きさがあり、とても人が建てた物とは思えない未知なる”生”までもがそこに秘められているような気さえして来る。しかし、工場は紛れもなく人工の建物であり、自然と相対する存在であり、決して独自の”生”など芽生えよう筈もない無機質な建物なのだが、それでも天まで伸びるノッポな煙突とそれに連なる様々な形の建造物を見ていると、それらを山脈のようだと感じてしまう自分の心は、自然に対する畏怖と似て非なるものを工場という巨大な建物から感じ取っているのかも知れない。
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