2005年5月25日　テイチク

　中高年のアイドル芸人、綾小路きみまろのライブビデオ第2集。富士河口湖町ステラシアターにて収録。収録時間は、およそ50分。

　ネタは、中高年に最もよくウケる”年齢”を中心としたものが多く、「老い」と「だじゃれ」と「下ネタ」を巧みに交えながら毒舌漫談を繰り広げている。会場の笑い声を聞くと、中高年がいかに「下ネタ」が好きなのかがよく分かる。

　ネタの順番といった大筋のシナリオはあるのかも知れないが、会場の空気に合わせて抑揚をつけながら淀みなく話すところは流石。ほとんどのネタが繰り返し使われているものだと思うが、機械的な口調ではなく、会場の雰囲気に合わせた話し方となっているので、妙な安心感がある。”今日も綾小路きみまろの漫談で笑うぞ”といった妙な安心感。これは、毒舌でありながら、多くの中高年の身に覚えがある人間くさいところがネタになっているからだと思う。ネタに込められている人間的な温もりが、多くの人に受け入れられている要素ではないかと感じる次第。

　映像の出来そのものは、お世辞にも良いとは言えない。単純にライブが始まって終わるだけの映像で（特典映像もない）、ところどころに「聞いてんの？」などの文字が出る他は、ずっとステージ上の綾小路きみまろが1ケ所のアングルからのみ映し出されている。動きが少ないのでアングルが1ケ所のみというのは良しとしても、その角度がどうにもいただけない。通常ライブ映像の場合、観客席からの平行的な目線のものが多いが、このライブ映像は、観客席よりもずっと上方からの斜め上から見下ろす目線で撮られている為、今ひとつ臨場感が得られない。カメラワークも編集も単調なので、極端な話、音声のみでも良いほど。「第1集」が好評を得た為に作られたと思うが、もう少し趣向を凝らしても良いのではと思ったライブビデオだった。

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