深度3000メートルの深海の映像を収録したドキュメンタリーDVD。特殊な潜水艇がなければおよそ人間など足を踏み入れることのできない深海の未知なる世界がたっぷりと収録されている。時間は、本編48分、特典18分。

　深海には以前から宇宙と同じくらいの興味を引かれていて、テレビの特集番組をよく見ていた。宇宙にも匹敵するほどの過酷さがあり、簡単に足を踏み入れることができないところが宇宙ともよく似ており、そこに住む生物も地上のものとは大きく姿形が異なっており、まるで地球にありながら別の惑星のような神秘さがある。「深海」は、周りを海に囲まれ海と親しい日本にとっても近くて遠い別世界。

　海に潜って撮影したのは「無人探査機ハイーパードルフィン」。深度3000メートルまでの潜航が可能で、徐々に深く潜航しながら深海に住む不思議な生物たちを間近に撮影している。深海には、マリンスノーが降っており、その名のごとく海中に降る雪の中を優雅に泳ぐ魚やクラゲたちを見ることができる。特に多いのは、クラゲの種類。様々な形のクラゲが、形を変えながら探査機のライトを浴びて七色に輝きながら優雅に海中を舞っている。

　深度およそ2000メートルの海底では、前ビレで歩く魚や、300度の熱水を吹き上げるチムニーに密集する生物、有人探査機「しんかい6500」との邂逅など貴重な映像が満載。光の届かない世界で「しんかい6500」の放つライトと出会うシーンは、まるで日の出のよう。光の世界で暮らす人間にとってほんの少しホっとする瞬間。

　全体的な仕上がりとしては、ヒーリングとも異なるし、教材とも異なるどっちつかずの仕上がりだが、普段目にすることのできない世界が収録されているので、ちょっとした気分転換にはなる映像。音を消して眺めるだけでも深海のゆったりとした流れが感じられる。

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