2004年5月21日　東映ビデオ

　実写版「スケバン刑事」の「I」〜「III」までの名場面集を収録したDVD。どのシリーズもストーリーの中盤までをアクション・シーンを中心にまとめられてあり、戦う美少女の姿をたっぷりと見ることができる。

　「I」の主役は、斉藤由貴。アクションとは呼べないようなたどたどしい体の動きが実にアイドルらしく、思わず「かわいい！」と声に出してしまうほどだが、この頃はまだ3人組ではなく1人で行動していたので、麻宮サキの孤独感は演出されていたと思う。子犬を抱き上げ笑顔を見せるところは、まさしくアイドルのスマイル。戦う時の真剣な表情とのギャップが良い。ナレーションはなく、斉藤由貴がモノローグの声でナビゲートしている。

　「II」の主役は、南野陽子。「II」から3人組となり、ビー玉のお京と雪乃が加わってアクション・シーンを盛り上げている。南野陽子のアクションは、動きが良く迫力があり浮いた感じが少なくて良かった。また、土佐弁の台詞が決まっており、特にアクション・シーンの決め台詞は堂々としたもの。格好良い。ビー玉のお京を演じた相楽ハル子は細身ながらも役柄と合っていたし、お嬢様育ちの雪乃を演じた吉沢秋絵も一風変わったキャラをよく演じていた。

　「III」の主役は、浅香唯。風間三姉妹として、長姉の結花と次姉の由真と力を合わせて「影」と戦う。「III」は、内容が前2作の「スケバン刑事」とは少々異なっていて、悪と戦うというよりも「影」という呼び名の忍者組織との戦いがメインで、アクション・シーンも爆破や派手なシーンが多く、ヒーロー・アクションものの美少女版といった様相。「スケバン刑事」の本質から外れているような感じの作品だが、それでもセーラー服姿でヨーヨーを駆使して戦うアクションは健在。長姉の結花は大西結花が演じ武器は金属製の折鶴。次姉の由真は中村由真が演じ武器はリリアン棒。

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『スケバン刑事』三部作の中から、総集編として放送されたエピソードをまとめてＤＶＤ化したものです。

パート１の『スケバン刑事』からは「特別篇　麻宮サキ名場面集」。
ジャケットには「第17話までに新撮映像を加えた総集編」、「第18話として放送する予定だったが、本放送では放送されず、再放送で放送された」と解説されていますが、俗に言う「雨傘番組」――つまり予定されていたプロ野球中継が雨で中止になった際に、代りに放送を予定されていた特別番組だったはずです。結局プロ野球は行われ、日の目を見ることなく放送が終ってしまったものを再放送では流した、というのが真相だと思います。まさか放送されるとは思っていなかったので、再放送の時にはビックリした記憶が・・・。

パート２の『スケバン刑事ＩＩ／少女鉄仮面伝説』からは、第29話として放送された「特別編　戦いの日々に愛を見た」、そしてパート３『スケバン刑事ＩＩＩ／少女忍法帖伝奇』からは、第31話「特別編　宿命の三姉妹　青春の光と影」をそれぞれ収録していますが、相方さんが書かれている通り、何れも放送中盤までをまとめたもの。ＤＶＤ1枚にまとめるにしては、ちょっと物足りないですね。

実はシリーズ全体の総集編というものも作られています。
ＴＶシリーズ三部作が放送を終了し、ラスト・エピソードとなる劇場版『スケバン刑事／風間三姉妹の逆襲』公開を控えた時期に、フジテレビの深夜枠で放送された『スケバン刑事ＳＡＧＡ』がそれで、三部作それぞれを1話から最終回まで再編集したもの。
順番にただ繋いでいるだけで、構成にはもう一工夫も二工夫も欲しい代物でしたが、３時間枠での放送ということで見応えは充分。どうせならこちらのＤＶＤ化を望みたいところですね。

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