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「交響曲 宇宙戦艦ヤマト ライブ」
投稿日 : 2010/06/25 17:42
投稿者 久保田r
参照先
<収録>
(1)オープニング・解説
(2)第一楽章 誕生
(3)第二楽章 闘い -スケルツォ-
(4)第三楽章 祈り -アダージョ-
(5)第四楽章 明日への希望 -ドッペルコンチェルト-

指揮:大友直人
演奏:NHK交響楽団
バイオリン・ソロ:徳永二男
ピアノ・ソロ:羽田健太郎
スキャット:川島和子
テーマモチーフ:宮川泰
作曲:羽田健太郎

エグゼグティブプロデューサー:西崎義展
監督:実相寺昭雄
映像編集:棚橋一徳
ナレーション:羽佐間道夫
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Re: 「交響曲 宇宙戦艦ヤマト ライブ」
投稿日 : 2010/06/25 17:43
投稿者 久保田r
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 1984年に初演された「交響曲 宇宙戦艦ヤマト」のライブ映像。オープニング映像には、「元祖ヤマトのテーマ」に乗って地中に埋まったヤマトが地面を揺るがしながら飛び立つシーンが流れ、続くコンサート会場での映像では、西崎義展氏がステージ上で宮川氏、羽田氏、大友氏と楽団のこと、そしてそれぞれの楽章の解説をしている映像が収録されている。

 第一楽章〜第四楽章までは、ナレーションや解説などの音声は一切なし。ライブ演奏の音のみ。第一楽章〜第四楽章の頭までは演奏の合間にその楽章の内容に見合った映像が幾つか挿入されてあり、ラストの第四楽章だけは、映像の挿入がなく、徳永二男氏と羽田健太郎氏のソロをたっぷりと見ることのできる内容となっている。

 「交響曲 宇宙戦艦ヤマト」のライブ映像は、今回初めて鑑賞することができた。ライブ演奏のLPは所持しているものの聞く環境が整っていないために押し入れの中に眠っており、つい先頃『復活篇』の公開に合わせて発売された「交響曲ヤマト2009」のCDを繰り返し聞いているという状況の中、作曲した羽田氏自らがピアノ・ソロを演奏しているこの「交響曲ヤマト」のライブ映像を今回見ることができたのは、私の胸の内にある当時の思いが蘇るとともに、深い感慨と感動とに再会することが出来、幸せだった。

 映像を見て感じたことは、全体に初演の新鮮な緊張に包まれているということ。まろやかな円熟味のある演奏とは異なり、全体的にかっちりとした音の印象となっていて、尚かつその中にも「ヤマト」音楽の持つメロディーの温かみが込められてあり、戦艦としてのヤマトの緊張感と、そして作品が通して描いてきた愛が見事に演奏されていたように思う。

 第三楽章の川島和子さんのスキャットを聞いた時、感動で涙が滲み出た。「無限に広がる大宇宙」のメロディーだけでも胸中にじわりとした感動を覚える名曲であるけれども、いくつかのテーマが掛け合いながら奏でられ、その行く末に静かに染み入るように響く川島さんの声は、本当に「ヤマト」の声。救いと慈しみを感じる温かい声だった。

 第四楽章のピアノとバイオリンのソロは、圧巻。ソロのパートでは、信頼したように大友氏が軽く目配せをし、対話をするように時には競いあうようにピアノとバイオリンが響き渡り、その力強い音の魅力にぐいぐいと引き込まれた。ピアノとバイオリンを守り立てる楽団の演奏も素晴らしく、ラストの締めの「ヤマト」のテーマの演奏の時には、心から感動だった。音楽というのは、寸分の狂いのない演奏も素晴らしいと思うが、演奏中に生まれる独特の空気と奏者の思いとが音となって表れるライブ演奏は、この世に二度と誕生しない格別な音の良さがある。これが音を楽しむ良さなのだとしみじみと感じた。

 第一楽章〜第四楽章の頭までのところどころに入っている「ヤマト」の映像は、「1」〜「完結編」までの映像を使用。「ヤマト」の映像と演奏の映像が、ゆっくりと長い時間をかけてオーバーラップしているところなどはなかなか良い雰囲気を出していると感じたし、「ヤマト」の音楽から生まれた「交響曲」をバックに映し出される「ヤマト」の映像は、感慨深いものがあった。

 演奏の映像の編集についても演奏の流れに合わせて効果的に各カットが繋がれてあり、見応えがあって良かったと思う。ストリングス、ブラス、打楽器といった「ヤマト」音楽の象徴となる楽器と、タクトを振る大友氏の動きが良いタイミングで繋がれてあって見やすかった。中でも気に入ったのは、第一楽章の最後。ベストのタイミングでタクトを振り終える大友氏が映し出されている。
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