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「リボルバー 青い春」
投稿日 : 2014/07/11(Fri) 14:55
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:渡辺武
製作:亀井修、仁平幸男
原作:狩撫麻礼、松本大洋
脚本:佐藤佐吉
撮影:森英男
美術:坂本明
制作:小学館、ケイエスエス

<出演>
玉木宏、森山未來、佐藤隆太、前田綾花、近藤公園、大杉蓮、上地雄輔、他

2003年
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Re: 「リボルバー 青い春」
投稿日 : 2014/07/11(Fri) 14:56
投稿者 久保田r
参照先
 松本大洋さんの漫画「リボルバー」を実写映像化したオリジナルビデオ作品。主演は、玉木宏さん、森山未來さん、佐藤隆太さんの三人。

 県立の男子ばかりの高校に通うオサムとコージとタツトシは、放課後になるとコージがたった一人で活動している生物部に入り浸っていた。オサムは煙草を吹かしてグラビア雑誌を読み漁り、コージは黙々と鶏と羊の世話をし、タツトシは入っていたサッカー部の生温い練習に嫌気が差してやさぐれた態度でオサムたちとつるんでいた。ある日、ランドセルを背負った少年が3人の前に現れて謎の巻物を渡す。中を開くと、そこには「ここ掘れ」と指示された地図が入っており、3人は興味本位で指定された場所を訪れる。「ここ」と小さな看板が立っている場所を掘ってみると、土の中から小さな箱が現れ、なんと中には一挺の拳銃が入っていた。さらに驚くべきことに弾倉には3発分の弾が入っていた。3人は「これで何かすごいことが起きる」と期待する。

 自分はきっと何かデカイことをやれるんじゃないか…と、何の根拠もない自信に満ち溢れていた十代後半の青春を味わえる作品。作中で描かれてるのは、何かにつけ体力を持て余している男子高生の満たされぬ思いで、早い話が欲求不満の塊。生きていることに対して実感が湧かず、無気力で、かと思うと思い通りにいかないことに腹を立て、常に刺激を欲し、触れれば切れそうなほどの繊細な感性で今この時を過ごしている、そんな男子高生の刹那的なドラマが描かれている。

 オサムとコージとタツトシのキャラクターの個性に魅力があり、学年に一人はこういうタイプがいたな…というキャラクターを玉木宏さん、森山未來さん、佐藤隆太さんらが好演している。森山未來さんは高校生と近い年齢であるものの、3人とも年齢が上のため演技に多少の世慣れ感はあるが、それでも欲望にひたむきな男子高生の愛すべきバカさ加減を体を張って演じていたように思う。中でも森山未來さんの鋭い目つきは印象的だった。

 ラストの「とんでもないすごいこと」をしでかしそうでそうならないオチに、見ている方としては逆に気持ちが救われた。だがあの瞬間、確かに彼らは一瞬だけ魂を手放した筈だ。その恐怖を忘れなければ、彼らはきっと生きていける。そう思えるラストだった。
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