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氷室京介「25TH ANNIVERSARY TOUR」
投稿日 : 2020/09/16(Wed) 16:57
投稿者 久保田r
参照先
KYOSUKE HIMURO 25TH ANNIVERSARY TOUR
GREATEST ANTHOLOGY -NAKED-
FINAL DESTINATION DAY-01
2014.7.19 YOKOHAMA STADIUM

<収録内容>
ライブDVD 1枚
ライブCD 2枚組

<SET LIST>
OPNING

WARRIORS
PARACHUTE
WILD AT NIGHT
Girls Be Glamorous
CALLING
眠りこむ前に
DEAR ALGERNON
ONE LIFE
BANG THE BEAT
Dppelgenger
NATIVE STRANGER
魂を抱いてくれ
IF YOU WANT
Rock’n Roll Suicide
WEEKEND SHUFFLE
IN THE NUDE 〜Even not in the mood〜
LOVE &GAME
DRIVE
WILD ROMANCE

NORTH OF EDEN
The Sun Also Rises
VIRGIN BEAT

JEALOUSYを眠らせて
SUMMER GAME
ANGEL

ENDING

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Re: 氷室京介「25TH ANNIVERSARY TOUR」
投稿日 : 2020/09/16(Wed) 17:01
投稿者 久保田r
参照先
 2016年「LAST GIGS」を最後にライブ活動無期限休止となった氷室京介さんの、その2年前となる2014年に行われたツアーの最終公演地、横浜スタジアムでの2DAYSのうちの初日の模様を収めたライブDVD。

 このツアーは、一つ前の公演地で本人の口からライブ活動休止宣言がなされ、瞬く間に広く大きく報じられ、最終公演地であるこの横浜スタジアムには、不安と心配に包まれたファンによって埋め尽くされた。奇しくもこのツアーはソロ25周年と銘打って大々的に全国を廻って異例の50本という数の長いツアースケジュールが組まれており、その最終公演地がここ横浜スタジアムであった。

 このライブDVDには、演奏する側はそれらの事情を踏まえ、そしてファンは悲喜交々の感情を抱え、この両者の思いの相乗が独特の雰囲気を作り出し、ある意味に於いて”事実上のソロ活動終了”とも言える特別な空間が収録されている。

 オープニングは、ステージ中央と両端に据えられた巨大なスクリーンにソロとなってからのライブ活動を振り返る映像が映し出され、活動休止宣言直後の最終公演ということもありスクリーンを見つめるファンの目には複雑な表情が窺えた。そして、映像が進むにつれて徐々に拍手の数が増え始め、メンバーがステージに登場した頃にはファンが一体となって拍手でリズムを刻み、そこへ「ハロー!横浜!おい、ごちゃごちゃ考えてんじゃねえぞ。騒ごうぜ!」という第一声と共に氷室京介さんが登場する。会場が一気に沸き立ったのと同時に、ノリのいいナンバー「WARRIORS」を皮切りに勢いのあるステージが展開されてゆく。

 普段のMCではあまり饒舌ではない氷室京介さんが、このステージでは25年間を振り返るように思いの丈を話しているのが印象的。ライブ活動休止の詳細な説明は最後にするとした上で、「DEAR ALGERNON」の前のMCではバンドからソロになる時の思いを語り、その話の中でリハーサル中に雨で濡れていたことに気づかずに足を滑らせてPAで胸を強打したことを明かし(後に肋骨を骨折していたことが判明)、「魂を抱いてくれ」の前のMCではこれまでプライベートなことはほとんど話さなかった氷室さんにしては珍しく家族の話をし、2度目のアンコールの前のMCでは自身の言葉にてライブ活動休止に至る過程の説明がなされている。本人の口からきちっと語られたことによって、ライブ活動休止は噂ではなく事実であるという真実が記録されている。

 最終曲には自身が最も大切にしているソロデビュー曲の「ANGEL」を歌い上げてステージは終了。上空に花火が打ち上げられ、勢いよくパッと散るラストを演出している。そして、スクリーンには「ANGEL」を歌う25年間の氷室さんの姿が編集された映像が映し出され、まるで線香花火のような余韻を持ってライブは終了している。

 ライブ音源を収録した2枚組のCDは、MC部分がほとんどカットされ、純粋にライブの演奏を堪能できる仕様となっている。MC抜きの音源を聞いていると、終わらずにまだまだ続くのではないかというような錯覚さえ覚える。年齢と共に変化してきた氷室さんの深みのある歌声が、一曲一曲を丁寧に歌っているのが伝わってきて切なくなるほど。

 氷室京介さんの活動を振り返る時、バンド時代のBO∅WYを欠かすことはできない。事実、BO∅WYがあってこそソロ活動が成立していることは明らか。そのため、バンド時代から好きだというファンが多いだろうし、区別してはいてもソロだけでは物足りないと感じるファンも多いのだと思う。だが、これだけ活動期間が長いと、一部にはソロになってからファンになった人も多いのではないかと個人的には感じている。事実、私がファンになったのは氷室さんがソロになってからだった。BO∅WYのアルバムも数枚所持しているが、バンド時代よりもソロとなってから氷室さん本人の魅力に取り憑かれた。そんな自分にとっては、ソロの楽曲のみで構成されたこのツアーこそが私の中ではラスト・ライブという位置付けになる。無論、バンド時代を否定する気は更々無く、氷室さんのアーティスト活動の集大成としてBO∅WYの曲とソロ曲を歌った2016年の「LAST GIGS」は、なくてはならないライブであったと思うし、やるべきであったライブだと理解している。

 だが、敢えて付け加えるならば、この横浜スタジアムのライブが完璧な形で成功しなかったことが、「LAST GIGS」へと繋がった要因の一つ。勿論、ファンに対する思いが一番にあったと思うが、この横浜スタジアムの2日目は雷のためライブが中断するというアクシデントがあり、前日には肋骨を折るというアクシデントもあった。このままでは終われないという氷室さん本人とファンとの思いが結実したのが「LAST GIGS」へと繋がっている。

 ライブ活動休止宣言と幾つものアクシデントという事柄だけを見ると、マイナス要因の多いライブにも思えるが、MCで語っているように「転んでも必ず立ち上がる」の矜持を貫く姿勢が多くのファンの支持を得て来た。その視点から見ると、このライブDVDには貴重な時間が収録されており、また「LAST GIGS」への道筋を開いたプラス要因の多いライブであったと言えると思う。

 よって、私の中では非常に評価の高いライブDVD。

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