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「ボレロ」熊川哲也&ローラン・プティ
投稿日 : 2000/10/29 03:38
投稿者 久保田r
参照先
カラー36分 販売元(株)ポニーキャニオン
Bunkamura10周年委嘱振付・世界初演
1999年9月3〜5日オーチャードホール

これは、今や日本バレエ界の代名詞とも言うべき熊川哲也が、世界的有名振付家ローラン・プティの振り付けによって、群舞で有名な「ボレロ」をたった1人で踊ったステージのビデオです。
モーリス・ラヴェル作曲のこの「ボレロ」は、バレエ音楽としては有名で、そのほとんどは群舞による作品です。テーブルの上の男性ソリストを女性群舞が囲むものと、女性ソリストを男性群舞が囲むもの、そして男性ソリストを男性群舞が囲むものの3つがある、と、手元の資料のには書いてありまして、共通しているのは、必ず男性により演じられているという点です。男性ダンサーが中心となる作品で、これほど馴染み深い曲はそうそうないかも知れません。
私は数年前首都圏に住んでいた頃、ホール名は忘れてしまいましたが、友人からの誘いで上野のあるホールで行われたバレエを見に行ったことがあります。そこで初めて生の「ボレロ」を見ました。その時の群舞は、男性ソリストを男性群舞が囲むものであったように記憶しています。この群舞がまた迫力あるものでして、曲の終盤に向けてソリストを中心に激しく盛り上がって行く様は非常に官能的でした。
さて、このビデオには二人のインタビューが収められています。熊川哲也は「まるで二人でプラモデルでも作っているような感じ。純粋に踊りが楽しかった頃を思い出した」と語り、ローラン・プティは「TETUYAのことは色々聞いていたので躊躇したが、この仕事を引き受けて良かったと本当に思っている。違う仕事でも振付けをしてあげたい」と、語っています。
二人だけで仕上げたこの「ボレロ」。群舞で有名なこの「ボレロ」がどう表現されるのか。その期待度が高まったところで、ステージが始まります。
スポーティで現代的な作品になったと言ったプティの言葉通り、そこにある「ボレロ」は新しい「ボレロ」として生まれ変わっていました。たった1人の「ボレロ」、それは熊川哲也が等身大の言葉で語ったステージであるように思いました。椅子という小道具を使い、タバコで演出するシーンは彼の内面から醸し出される色気を感じます。これらの序盤での抑制を思わせる表現が、曲の盛り上がりと共に、熊川哲也だけの踊りとなってステージ上に繰り広げられて行きます。ステージ後方から撮った絵からは、飛び散る汗が美しく捉えられています。
見終わった後、すかさず拍手を送ってしまう、そんなビデオです。
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