
「宮川彬良&アンサンブル・ベガ 岩手公演」
投稿日 |
: 2013/12/20(Fri) 15:44 |
投稿者 |
: 久保田r |
参照先 |
: |
日時:2013年11月30日 14:30 開場 15:00 開演
会場:田園ホール(矢巾町文化会館)
<演奏曲>
〜第1部〜
♪「すみれの花咲く部屋」 F.デーレ・宮川彬良
♪「ハンガリー舞曲 第5番」 J.ブラームス
♪「バッハのメヌエット」(ラヴァーズ・コンチェルト) J.S.バッハ
♪「プリンク・プランク・プランク」 L.アンダーソン
♪「ワルツィング・キャット」 L.アンダーソン
♪アン・ベガ名物「音符の国ツアー」〜《必ず良い大人になるための音楽入門!》
「パーセルの主題によるフーガ」 宮川彬良
♪「抱きしめたい with MOZART」 W.A.モーツァルト、ビートルズ
〜第2部〜
♪「弦楽のためのソナタ 第一番 ト長調」 J.ロッシーニ
♪「女心の歌」(歌劇「リゴレット」から) G.ヴェルディ
♪「私のお父さん」(歌劇「ジャンニ・スキッキ」から) J.プッチーニ
♪室内楽のためのソナタ「ブラック・ジャック」 宮川彬良
第1楽章「血と、汗と、涙と…」
第2楽章「命」
第3楽章「生きて生きて息る」
〜アンコール〜
♪「クィンテット」 宮川彬良
♪「サヨナラの星」 宮川彬良
♪「P.S.I LOVE YOU」 ビートルズ


編集

Re: 「宮川彬良&アンサンブル・ベガ 岩手公演」
投稿日 |
: 2013/12/20(Fri) 15:51 |
投稿者 |
: 久保田r |
参照先 |
: |
岩手初公演となる「宮川彬良&アンサンブル・ベガ」の演奏会に行って来ました。会場の田園ホールは、盛岡市の南側に隣接する矢巾町にあるホールで、役場と同敷地内にあるものの文字通り田園の多い地域に建っているため少々分かり難い場所。場所を示す看板が少なかったため、おかげで道に迷ってしまい予定していた時間をオーバーして到着しました。ですが、苦労して辿り着いただけの価値のある良い音響のホールでした。
第1部の見どころは、やはりアン・ベガ名物「音符の国ツアー」!「必ず良い大人になるための音楽入門」というサブタイトルが付いている通り、音楽を通して色んなタイプと付き合う楽しみといったものを教示しています。楽器を擬人化し、孤独なバイオリンにもう一人バイオリンが加わって音に温かみが増し、そこへヴィオラが加わってリッチな音へと変化し、そしてチェロ、コントラバスが加わって安定感が生まれ、ここまで弦を弓でこするばかりだったところへクラリネット、ファゴット、ホルンが加わったことで一つのグループが完成!といった流れです。これはメンバー紹介も兼ねていて、このコーナーを見た後には、それぞれの楽器を弾く人とその役割とがすんなりと頭に入って来て鑑賞の幅が広がりました。
第1部の締めの「抱きしめたい with MOZART」は、彬良さんの編曲の鮮やかさに触れられる感動の曲。ベースとなる「抱きしめたい」に、どこかで聞いたことのあるメロディーが何気ない風に顔を見せては消えていくという穏やかな流れの中にも緩やかな変化のある編曲となっていました。
第2部は、かっちりとした雰囲気の演奏に。どの曲も楽器の一音一音がしっかりと鳴って和を作り出していて心地いい音楽でした。メインの音がさり気なく移って行くところにも互いに尊重し合う協調性といったものが感じられ熟練の技量を見た思いです。音楽とはかけ離れた実生活の場に於いても周囲とこういう関係を築きたいと思わせてくれる良い演奏でした。
第2部の聞きどころは何と言っても室内楽のためのソナタ「ブラック・ジャック」。迫力の中にも悲哀が感じられ、「ブラック・ジャック」の世界観を音楽で感じました。どの楽器の演奏も素晴らしかったですが、中でも私はロンリー淳ちゃんこと第1ヴァイオリンの辻井淳さんの真っすぐに伸びる音に魅せられました。
アンコールでは、Eテレ「クィンテット」のテーマから柔らかな雰囲気でスタート。続く「サヨナラの星」では、彬良さんがご自慢の喉を披露してくれました。ラストは、第1部と同じくビートルズで。
彬良さんを入れて9人という編成のため、音の厚みがどんな感じなのか想像がつかなかったのですが、実際に聞いてみたらアンサンブル・ベガの公式ホームページにあるように「8人なのにオーケストラの音がする」素晴らしい響きでした。楽器一つ一つから生まれる音の調和が見事に響き合っていました。感動の響きです。再び岩手で公演がある時にはぜひもう一度聴きに行きたいです。

編集