それは正に事件であった。
その日、たまたまＴＶの再放送で見た彼女の姿。『うちの子にかぎって・・・』第２シリーズの第９話「転校少女にナニが起こったか？」のゲスト・ヒロイン。それが彼女を見た最初である。
それからいろんなＴＶ雑誌なんぞをひっくり返してみると、あるわあるわ、この回の本放送当時からの読者欄での彼女への問い合わせ。みんなこの番組見てるんだなぁ、ということよりもたった一回のゲスト女優（しかも子役だ）にもかかわらず、これだけの注目を集めた「磯崎亜紀子」という女の子の存在の凄さに驚かされた。
実は彼女は第１シリーズでは生徒役でレギュラー出演。第２シリーズの１話でも顔を出していたんだけど、それでもこの回のインパクトは大。今回の主人公が再会する、転校してきた初恋の少女、というキャラクターを実に魅力的に好演。ラストも一見「夢オチ」風でありながらもファンタジックな（ちょっとＳＦ風でもある）異色作で、シリーズでも屈指の好エピソードだが、それもこれも全ては彼女がいたからこそ。当時の彼女は小学６年生だったと思うけど、天性の演技力というか存在感があったのだ（同世代の後藤久美子や小川範子、宮沢りえ等はまだまだ注目されていなかった頃だし）。
続いて彼女は、かの迷作（？）『地球防衛少女イコちゃん』に主演し、（その筋では）広く知られることになる。ただ残念ながら彼女のピークはこの辺りで、以後成長期に入った彼女は段々とかつての輝きを失っていってしまう。ハッキリ言っちゃうと彼女、太っちゃったんだよなぁ。背も伸びたし。『イコちゃん』のパート２へのゲスト出演もあるけど、ＴＶ『オヨビでない奴！』、映画『勝利者たち』等でも単なる美少女扱いに留まり、やがて活動を休止。 少女の輝きの時間としては短かったのかも知れないが、それでもフィルムやビデオに掬い取られた一瞬は永遠なのである。

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