2008年7月30日　UNIVERSAL J(P)(M)

（1）ジョニイへの伝言／鈴木雅之
（2）白い蝶のサンバ／一青窈
（3）思秋期／森山直太朗
（4）たそがれマイ・ラブ／中西圭三
（5）熱き心に／元ちとせ
（6）ペッパー警部／Mizrock
（7）恋のダイヤル6700／音速ライン
（8）時の過ぎゆくままに／工藤静香 Feat. 押尾コータロー
（9）朝まで待てない／甲斐よしひろ
（10）ざんげの値打ちもない／山崎ハコ
（11）ひまわり娘／杏里

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　2007年8月に5000曲以上の作品を遺して亡くなられた作詞家・阿久悠氏のトリビュート・アルバム。歌唱力と歌声に個性のあるアーティストが集まり、骨のあるアルバムに仕上がっている。2008年日本レコード大賞企画賞受賞。

　阿久悠氏が亡くなられた後に多くのオムニバス・アルバムがリリースされたが、広い意味ではそれらと同じ目線のアルバムでありながら、中身を見るとそれらとは一線を画す一際異なる趣きを持った聞き応えのあるアルバムになっている。収録曲のラインナップもさることながら、アレンジ力の優れたアーティストが集い、それぞれの持ち味を出しながら見事に阿久悠氏の綴る歌詞の元にまとまっている。ひとえに阿久悠氏の持つ言葉のセンスとパワーが、アーティストの枠を超え、時代を超え、変わらぬ良さを保っていることの証しだと思う。

　収録曲のラインナップがなかなか渋い線を行っていると思う。（6）「ペッパー警部」や（7）「恋のダイヤル6700」（8）「時の過ぎゆくままに」などの大ヒット曲を交え、アルバムのトップには（1）「ジョニイへの伝言」を配置し、（5）「熱き心に」（9）「朝まで待てない」を間に挟み、（11）「ひまわり娘」で締めという緩急のついたメリハリのある曲順でラストまで引っ張っている。アコースティックなアレンジあり、ロックテイストなアレンジありと表現力も豊か。なかなか通好みの仕上がりになっていると思う。

　個人的には、甲斐よしひろさんの「朝まで待てない」が良かった。オリコンチャート最高位38位の曲をビートの効いたアレンジで格好良く決めている。甲斐さんらしさが活きている流石のアレンジ。（その次の曲が山崎ハコさんというのも渋い）

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