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「セルフカヴァー・ベスト〜カガヤキナガラ〜」 徳永英明
投稿日 : 2006/04/30 15:03
投稿者 久保田r
参照先
2003年10月1日 ユニバーサルJ

(1)僕のそばに
(2)永遠の果てに
(3)夢を信じて
(4)壊れかけのRadio
(5)I Love You
(6)Call
(7)青い契り
(8)レイニーブルー
(9)Love Is All
(10)最後の言い訳
(11)君は君でいたいのに
(12)輝きながら…
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Re: 「セルフカヴァー・ベスト〜カガヤキナガラ〜」 徳永英明
投稿日 : 2006/04/30 15:03
投稿者 久保田r
参照先
 全曲アコースティック・アレンジによるセルフカヴァー・ベストアルバム。ヒット曲を中心としたラインナップで手に取りやすく、大人っぽくアレンジされた馴染みある曲たちにゆったりとした時間の流れを楽しめる。

 おそらく全曲スタジオ録音だと思うのだが、歌っている時の息継ぎ、演奏の流れといったものにライブの空気のような感触を受けるので、これはもしかすると思い切ってアコースティック・ライブのライブ盤とした方が伝えたいことが表現出来たかも知れない、と、思った。さざ波のような拍手と聞き入っている会場の空気といったものが入っていると、このアコースティック・バージョンがより”らしく”なったかも知れない。そう思ったのは、曲のアレンジと演奏がアコースティックというよりもジャズに近い”ノリ”なので、これはジャズ喫茶のような狭い空間でのライブ演奏を体感してみたいと思ったから。それとも敢えて承知の上でこのようなスタイルなのだろうか。

 徳永英明というボーカリストは、職業的なボーカリストではなく、自分自身を歌と声に投影する”魂のボーカリスト”なので、同じ歌を歌っていても常にその時々によって表情が違う。中でも加齢に伴う表現の違いには目を見張るものがあり、最後に収録されている(12)「輝きながら…」は、当時の頃と全く趣が違う。若さと透明感のあるボーカルで注目を浴びたこの曲は、このアルバムの中ではあの輝きを経験した大人の徳永英明が歌う一歩引いた落ち着きのある「輝きながら…」となっている。

 彼は、”透明感のあるボーカル”という評が定着しているが、私には随分前から彼の声に”透明感”は感じられなくなった。代わりに感じられるようになったのは、自分の声に責任感を持った”声”で、ある時は掠れ、ある時はシャウトする時の声も全部好感を持って聞くことが出来るようになった。その彼の声もやはり年相応に歳を取っていて、年齢に応じて深みのあるボーカルとなって来ている。ボーカルに自分の意思を反映させる彼だが、このアルバムで歌っている彼の声は優しい。どの曲も人間的な深みを味わわせるボーカルとなっている。

 一時期ヒットチャートを駆け上った彼が、ここ数年ではこのアルバムを含めて音楽的な自分自身の表現を試行錯誤していると感じる。自分探しの表現活動。このアルバムは、それが形になったアルバムだと思う。
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