”帰ってきた”『ウルトラマン』ではあるが、その音楽世界を構築したのは『ウルトラＱ』も手掛けた宮内国郎ではなく、『ウルトラセブン』の冬木透である。但し今作品から劇伴と主題歌は分業制となり、主題歌にはヒットメーカーのすぎやまこういちが起用された。ここですぎやまが偉かったのは、メロディメーカーとして自己流を押し通すのではなく、あくまで原典である『ウルトラマン』を尊重したことだ。完成した主題歌のメロディーは、初代「ウルトラマンのうた」を踏襲したオーソドックスなもので、特に歌い出し部分はソックリ。つまり、歌だけとってもウルトラマンが”帰ってきた”ことが一目瞭然という、心憎い配慮なのだ。「君にも見えるウルトラの星」というフレーズ（作詞は当時の社長だった円谷一自身）は、結果的に第２期シリーズを象徴するものになったがロマンを感じさせるし、エコーをビンビンに効かせた主演の団次郎のボーカルも、従来の少年合唱団モノとは一味違って耳に快い。傑作である。

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