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「枯木霊歌」
投稿日 : 2001/12/23 23:53
投稿者 梶原正義
参照先
作詩:松本零士/作曲:菊池俊輔/編曲:横山菁児

文化放送『セイヤング』で放送されたラジオドラマ『スペース・ファンタジー"エメラルダス"』に使用された曲である。
「枯木霊歌」は珍しく松本センセイ作詩ということで、内容もかなり"ドクロ"である^^; 実際、その歌詞のブキミさばかりが取り上げられるような嫌いもある。
菊池俊輔氏作曲のメロディも、歌詞が歌詞だけに思いっきりダウナー系だ。マカロニウェスタン調の孤独のバラードがベースであり、"霊歌"ということで、ややフォーク/ブルースよりではあるが、ギターのアルペジオを聴いても70年代初頭の"四畳半フォーク"の色合いだ。/星の旅人松本センセイの「男おいどん」ルーツが頭に浮かぶ。
しかし、何と言っても横山菁児氏のアレンジに目を向けてみれば、そんな印象も一変してしまう。確かにフォーキーなのだが、そこは横山菁児氏!ここでも非クラシック的楽器のクラシック的使用が冴えている。イントロの哀愁あるハーモニカやエレクトリックピアノの使用により、フランスはパリ・ミュゼットのようなどこか大陸的な風情を作り上げている。映画で言えばジャン・ギャバン主演の『現金に手を出すな』で使われた「グリズビーのテーマ」と共通したフレーバーである。つまり戦後のフランス映画黄金期に花開いた"フィルムノワール"の空気、"ハードボイルド"な格調ある"ワル"の美学のそれである。
この空気に松本作品の根底にあるものとの共通項が感じられるのは強ち無理な解釈とはいえないと思う。この辺りの解釈の匙加減が、実に"巧い"のである。
まだアニメどころか漫画も社会的認知が低かった時代、ましてアニソンという音楽をや!という時代、その製作に携わった人々は、意識的であれ無意識的であれ洋画や小説、洋楽をお手本にして貪欲に吸収昇華していたのであろう。逆にこうした基盤の豊かさがあればこその現在の"スタンダード"なのであろう。
佐々木氏も元ロカビリー歌手にして、かつては和製ヌーヴェルバーグ映画にも出演した俳優さんでもある。もっとも、ここでは四畳半フォーク/演歌的な意識で歌っているような印象だ。もし上記のような空気を意識していればもう少し全体的な印象も変わったに違いない。
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詞について
投稿日 : 2001/12/24 00:45
投稿者 Excalibur
参照先
印象的な歌詞に「たった一木(いちぼく)の」というフレーズがある。
「一木の枯れ木」とは凄く詩的な表現だが、実は元々は「一本の」と書かれていたようだ。
松本零士直筆の歌詞が誤読され、そのまま完成作品となってしまったようだが、特徴付ける意味でも結果オーライだったかもしれない。
隠れたエピソードである。
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