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「星の旅人」
投稿日 : 2001/12/23 23:54
投稿者 梶原正義
参照先
作詩:山川啓介/作曲:菊池俊輔/編曲:横山菁児
この曲も文化放送『セイヤング』で放送されたラジオドラマ『スペース・ファンタジー"エメラルダス"』に使用された曲である。
菊池氏のメロディはやはりマカロニウェスタン調の孤独のバラードがベースだ。
しかし、この曲も横山菁児氏のアレンジが冴えている。本編の"マカロニウェスタン"や"フィルムノワール"の空気、"ハードボイルド"な格調ある"ワル"の美学のそれを十分に踏まえた上で、"麗人"クイーン・エメラルダスというキャラクターの女性としての側面もキチンと料理している。
ベースのソロで始まるイントロは前者のそれだが、そこからジャズ/フュージョン的なおしゃれな感覚に継承させていく展開は後者のそれを示すものだ。以前にも書いたがデビッド.T.ウォーカー風の印象的なジャズ系ギターの音が、この曲全体をスマートなものにしている。そして、時にメロディに絡み、また間奏を盛り上げる"ハーロック譲りの"特に高音を活かした美しい弦の使い方は氏の独壇場だ。
山川啓介氏の詩は、エメラルダス自身の男性としてのアイデンティティを示すものでメロディ/アレンジとは対応しつつ対比的である(逆に言えば横山氏の料理が巧すぎるのだ)。
こうした歌のシンガーに選ばれたのが我が佐々木"いさ王"功氏である。
松本作品との関わり合いからすれば当然だが、 キャラを考えれば別の選択肢も十分あり得た話だろう。いずれにしても、女性であるエメラルダスの心境を「おれ」という人称も含め男性、それもバリトン歌手が歌ったことで本作の世界観は表現できたと思う。声優にして自称メッセージシンガーのささきいさお氏ならではの世界があると思う。シャープだが甘いギターや美しい高音ストリングスのアレンジの中でよく映えている。
「ヤマト」とはまた違った純粋な松本作品で、また違った宇宙観のある音楽作品を経験したことが、これまた佐々木氏の代表作である「銀河鉄道999」での名唱にもつながっているのかもしれない。
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