トップページ > 記事閲覧 
「青い地球」
投稿日 : 2001/12/29 00:27
投稿者 梶原正義
参照先
作詩:橋本淳/作曲:平尾昌晃/編曲:青山菁児

これまた言わずもがなのTV版『銀河鉄道999』のEDにして、ささきいさお氏の代表曲である。佐々木氏ご自身のアニソンの中でも最も好きな作品の1つとの話が伝わっている。当時、長男学さんと二人だけで生活していたこともあり、鉄郎の姿がタブったり、サビの歌詞がご自身の人生を感じさせて思わず感情移入したということだ。
実は私の故郷で放映された際に、この曲のテープの状態が随分と酷く、イントロの部分の音がひどく歪んでいた。近年CD化されて改めて聴くことが出来て、その良さに感動した思いがある。
ヒットメーカー橋本淳氏の書く一人称の詩も聴く側が年を重ねればこその味わいがあるし、この歌詞のイメージがあったから最終回のメーテルのキスは子供ながらに随分とドッキリした記憶がある。
平尾昌晃氏のメロディは日本人好みの哀愁あるものだが、同時に古きアメリカンポップスの良さをたっぷりと吸収した氏の面目躍如あるものがある。全体的には、50年代頃のドリーミーなスタンダードバラード曲風だ。近年例によってこの曲がジャズアレンジにされたのも首肯ける。もっとも過度に"洒脱"にならない瑞々しさを残していることは重要だろう。サビに入る部分からサビにかけてのベースラインの展開の上手さ。
メロディに反して階段状にベース音が下がっていくディセンディングラインというメロディアスな名曲に多用される黄金技が使われている。これだけでもう名曲である。
また、この曲に限らず、当時の歌謡曲にしてもアニソンにしても日本語の持つ語感や旋律を活かしたメロディが付けられているのは今となっては懐かしいし、感動もする。
青山菁児の編曲はここでも見事。OPと同様にいわば"仕切り"の役を果たす弦の和音の美しさ。これだけで作品世界に入ってしまう。全体的にはメロディと同様に50年代頃のドリーミーなスタンダードバラード曲風に仕上げてある。これ以上緩ければ間延びや退屈さになりかねないギリギリの線の心地良い震えるようなメロウさだ。上記のベースラインを活かすようにこの曲では随分とメロディアスなベースギターのリズムが聞こえる。またOPと異なりこちらは当時流行りのデヴィッド・T・ウォーカー風のスウィートソウル/フュージョン系のシティな感覚のギターリフが聞こえる。このあたりも古さを感じさせない原因なのだろう。
ささきいさお氏のボーカルはもう言うことはないでしょう。言葉一つ一つを実に大事に歌っている。鉄郎の歌だからといって子供が歌ったら単なる文部省唱歌(今なら文部科学省唱歌?^^;;)と化してしまいかねない。大人の低音で歌うからこその普遍性があると思う。
杉並児童合唱団のスキャット風コーラスはそれこそ児童合唱コンクールになりかねないが、ささきいさお氏との声とのマッチングからすれば自然な感じだ。サビのベースラインに反して高音でドンドン上がって行き、星にでも届きそうな歌声は楽曲の構成やテーマにドンズバではまっている。まさに珠玉の名作である。
記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -