「日本一短い「父」への手紙 一筆啓上」福井県丸岡町
投稿日 | : 2005/07/01 10:50 |
投稿者 | : 久保田r |
参照先 | : |
平成10年6月25日 (株)角川書店 角川文庫
『日本一短い「母」への手紙』の「父」版。
子から父へ宛てた手紙が大半だが、妻から宛てた手紙もある。妻が見たお父さんとしての夫への手紙。夫として父として。その父親という存在は、逞しくもあり物悲しさを含んでいる。それはやがて越える壁として存在しているからだと思うが、壁を越える前の幼い子供からの手紙は父親への畏敬が込められているし、壁を越えた年齢の手紙からは、役目を終えた父へ贈る手紙という感じがしてどことなく物悲しい。母は、いつまでも母であるのに対し、父は、一人の人間という役割がする。家の中で社会勉強をするリアルな存在。それが父親で、その壁を越えた時点で真の意味で一人立ち出来る───ということになるのだと思う。