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「無名人名語録」 永六輔
投稿日 : 2007/03/05 16:23
投稿者 久保田r
参照先
1990年5月15日 (株)講談社

 作者は「永六輔」となっているが、永六輔氏がこれまで印象に残った署名もない無名人の言葉をひたすらメモした語録集。どんな人がどんな場面でどんな思いで発した言葉なのかということは分からないが、ハっとする言葉が多く、共感できる言葉も多い。名語録とは、有名人無名人問わず差別なく生まれるもののよう。

 例を挙げると、

 「食事ってものは、味のうまいまずいじゃありませんよ。食事ってものは、思い出なんですよ。思い出にうまいまずいはありませんから」

 「デジタル時計って『もう何時だぞ』って感じでいやですね。アナログ時計っていうのは、『まだ何時』って感じなのよね。そこが好きだわ」

 どちらも心の機微が感じられる。捉えようによっては「食事がうまかったから思い出になった」という場合もあるだろうし、「デジタルもアナログも時計は時計」という見方もあると思うが、これらの言葉には世の中のグルメブーム、デジタル化に対する反骨心が感じられる人間味のある言葉。みんながみんな右倣えではない人間の底力みたいなものが感じられ、言葉に力が感じられる。読んだ後にホっとする語録集。
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