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「日本史の顛末 あの人の妻と愛人」 歴史の謎研究会・編
投稿日 : 2006/09/22 14:14
投稿者 久保田r
参照先
2006年5月20日 (株)青春出版社 青春文庫

<目次>
第一章 男に振り回された妻と愛人たち
第二章 眼をむく猛妻、悪妾たち
第三章 愛し愛された良妻たち
第四章 連れ合いの影が薄い女たち
第五章 乱世を生きた正室、側室たち
第六章 徳川・大奥の女たち
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Re: 「日本史の顛末 あの人の妻と愛人」 歴史の謎研究会・編
投稿日 : 2006/09/22 14:14
投稿者 久保田r
参照先
 「歴史の中に埋もれてきた妻や愛人たちにスポットを当てて、生き生きとした姿を浮かび上がらせたい」という主旨のもと構成された本。確かに歴史の表舞台に立つ男たちの名前は、教科書や大河ドラマなどでよく見聞きするが、彼らを支えた女性たちがメインとなることは彼らに比べて少ない。ここ数年ドラマの影響で「大奥」という言葉をよく耳にするようにはなったが、ドラマはドラマ。歴史的事実に脚色が織り込まれて成り立っている。では、事実はどうだったのだろうかということをこの本で知ることが出来る。

 登場する妻と愛人は、主立った人物を挙げると、第一章では、「西郷隆盛の妻と島妻」、「近藤勇の妻」、「石川啄木」の妻など11人のあの人の妻と愛人が載っている。第二章では、「源頼朝の正室」、「坂本龍馬の妻」、「夏目漱石」の妻など7人の妻が。第三章では、「高村光太郎の妻」、「平清盛の妻」、「毛利元就の妻」など10人の妻が。第四章では、「清少納言」、「紫式部」、「春日局」など7人の女性が。第五章では、「織田信長の正室」、「細川忠興の正室」、「豊臣秀吉の正室」など7人の妻と愛人が。第六章では、「徳川家康の二人の正室」、「徳川秀忠の正室」、「徳川家光の正室」など9人の妻と愛人について記されている。

 この中でユニークなのが、第四章「連れ合いの影が薄い女たち」の夫よりも名を残した7人の女性。えてして歴史に名を残す女性は、結婚していたこと自体が不思議に感じられるものだが、これを読むと彼女たちが結婚していた事実が分かる。ここに書かれたことによって彼女たちの夫にもスポットが当たったことになり、歴史の妙を感じ取ることが出来る。

 こうして読むと、結婚観というものが現代と大きく異なっており、現在の一夫一婦制の価値観では歴史に名を残す人物たちの夫婦間については理解出来ないのだと分かった。相思相愛の夫婦は稀であり、勢力を拡大する為の結婚が主だった。それは、現在も受け継がれているものなのかも知れないが、日々の暮らしが精一杯の庶民には今一つ実感が沸かない。結婚と子作りは別物という価値観。別次元の出来事のように思う。しかし、日本はそういう歴史を長いこと歩んで来た事は明らか。自分がこういう風に感じるのもやはり戦後生まれだからなのだろう。
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