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「日本人なら知っておきたい皇室」 松崎敏弥
投稿日 : 2006/09/02 14:32
投稿者 久保田r
参照先
2006年8月5日 (株)河出書房新社 KAWADE夢新書

 週刊誌「女性自身」の皇室担当記者が書く最新版皇室入門書。紀子様のご出産を控えたタイミングでの出版なので、皇位継承についてのことや、宮中のしきたりや祭祀、天皇家の歴史、皇族の方々の財産などについて柔らかい口調で丁寧に説明している。

 天皇は日本の象徴であると教科書では習ったが、その実体については触れられてはいなかった。戦前と戦後で在り方が変わった皇室は、実は戦後の皇室としてはまだ歴史が浅いのだということをこの本から知ることが出来る。神武天皇から始まった悠久の歴史を誇る皇室は、戦後を境に”開かれた皇室”へと在り方が変わった。しかし、それは表面に表れているのはほんの一部で、内では連綿と受け継がれている様々な祭儀があり、それらはしきたりと共に大事に現在も行われている。一般には目にすることのない多くの古の祭儀を守りつつ、戦後の”開かれた皇室”を目指す天皇家の現在の立場について丁寧に歴史を踏まえつつ説明している。

 取り分け現在最も論議を呼んでいるのが「皇位継承」問題で、作者は、じっくりと国民一人一人が考慮した上で結論を出すべきと慎重論を打ち出している。歴代の天皇について振り返り、男系男子で受け継がれて来た経緯と、女性天皇と女系天皇の違いについて度々詳しく説明している。これについては知らなかったこと気づかなかったことが幾つか記されてあり、多いに勉強になった。特に女性天皇と女系天皇について。今後の論議次第では新たな歴史が天皇家に刻まれることになるかも知れない「皇位継承」について、今まで遠い問題だと思っていた「皇位継承」問題がぐっと身近に差し迫った問題として捉えることが出来た。日本人なら知っておきたい皇室の存続の有り様がこの本に書かれている。
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