「やはり義経はチンギス・ハーンだった/フォルモロジーからの再検証」 田中英道
投稿日 | : 2024/03/27(Wed) 21:53 |
投稿者 | : Excalibur |
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イマドキこんなストレートな書名の本に出会えるとは思わなかった。
高木彬光の『成吉思汗の秘密』は繰り返し読んだし、源義経の首実検は素人には不自然に感じるので、義経は衣川で死せず、生き延びて蝦夷地へ向かった、あるいは遠く大陸まで逃げ果せた可能性はあるとは思うのだが、だからといってチンギス・ハーンになったとまでは考えにくい。
確かに夢のある話ではあるものの、その証拠となるとどうにもこじつけの域を出ないものばかり。
そんな中で見つけた本だけに、何か新しい発見や切り口でも見つかったのかと期待したのだが、感じられるのは強引さだけ。
結論ありきでは論証を進めるのではない。
「源義経=チンギス・ハーン」という前提条件を先ず取り下げることが肝心で、仮に義経が藤原泰衡の手を逃れた、もしくは泰衡の策によって難を逃れたとしたら義経はどう行動したのか、各地に残る伝承に基づいてその足跡を訪ね、その過程で義経の後身がチンギス・ハーンであるという結論が導き出されれば良いのだが。