革新的な意見を述べたが故に、保守的な人々から糾弾されたソークラテースが、法廷において自らの考えを披露する『ソークラテースの弁明』、死刑を目前に控えたソークラテースに脱獄を勧めに来た友人クリトーンに、それを断って対話する『クリトーン』、そしてソークラテースの死後、その処刑に立ち会ったパイドーンが、エケクラテースに最期の様子を語る『パイドーン』の３篇を収録。
高校時代にふとした興味から拾い読みし、大学時代にレポート提出の必要性からジックリと読み直したのだが、＜死＞というものに対して「恐怖」を覚えていた当時の自分にとって、ソークラテースの考えは１００％納得いくものではなかったものの、その思いを軽くしてくれたものである。
これらの著作がどの程度歴史的事実に則したものなのか、或いはプラトーンの完全な創作であったとしても、その価値は揺るがないだろうと思う。

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