マイクル・クライトン原作となっている映画『ツイスター』。だがこの作品はクライトンの小説の映画化ではなく、映画用にストーリーを書き下ろしたもの。その準備段階のシナリオが本書である。シナリオといってもト書きというか地の文も丹念に書きこまれており、まさに＜シナリオ・ノベル＞と呼べる面白さ。そのまま読んでも違和感はない。ビルの再婚相手のメリッサとジョーとのやりとりが多かったり、ジョーのおばであるメグが、ここでは実の母マーガレットになっていたりと完成作との違いを楽しむのもいいだろう。殊にメグとジョーは原案通り親子という設定にしておいた方が、スッキリしたと思うのだが。
なお、共著者のアン・マリー・マーティンはクライトン夫人であり、元々トルネードやストーム・チェイサーを扱ったドラマのアイディアは彼女のものだったそうだ。

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