「連合赤軍『あさま山荘』事件」 佐々淳行
投稿日 | : 2003/05/15 22:05 |
投稿者 | : Excalibur |
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当時現場で陣頭指揮を執っていた著者による手記(ノンフィクション)。テンポ良く歯切れの良い文体と臨場感で、グイグイ惹きつける面白さ。これは凡百の小説(フィクション)に優る。「あさま山荘」事件に至るまでの赤軍派の動きも順を追って説明されているが、その政治信条やらくどくどした背景説明にはほとんど紙数が割かれていないことも、読み易さの一因。連合赤軍そのものについて詳しく知りたければ、別の書物を当れば良い。ここにあるのは、要塞と化した「あさま山荘」に人質をとって立て篭もった犯人と、長野県警を始め警視庁からの応援組も含めた警察官との”戦い”の記録というわけだ。事件発生から解決までの10日間、ギリギリで踏ん張る人間たちが描かれている。
映画『突入せよ!「あさま山荘」事件』の原作。