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「世界をだました男」 フランク・アバネイル/スタン・レディング
投稿日 : 2003/10/11 09:54
投稿者 Excalibur
参照先
原題は”Catch Me If You Can”「捕まえられるもんなら、捕まえてみな」――そう、これはレオナルド・ディカプリオ主演で映画化された『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の原作なんである。パンナムの副操縦士、大学講師、病院のレジデント、法律家になりすまし、21歳になるまでに偽造小切手だけで250万ドルを騙し取り、全米だけでなく20カ国の警察から追われた天才詐欺師の自伝。読んでみると、よくもまあこんな手口が通用したなぁという感想を持つ。今じゃちょっと考えられないだろうな。大らかな良き時代のお話である(といってもせいぜい30数年前の出来事なんだけど)。それに自伝というせいもあるのか、「ほら、オレって凄いだろ?」という自慢話のオンパレード。女、食事、車、家、服・・・とあらゆる欲望に大金をつぎ込む、ハッキリ言ってすんげぇヤな奴としか思えない。映画では犯行に至る原因に恵まれない家庭環境があったことが示唆され、ディカプリオが一方では「いたいけな少年像」を好演していたが、原作にはそういった描写はほとんどない。確かに努力と才能は並外れたものがあったんだろうけど、世間的な「憎めない悪党」というイメージには程遠かった。とりあえず面白いことは面白いが、映画のイメージを大事にしたいなら読んじゃダメ(これもペテンのうちの一つだったりして)。ただ逆に、この原作に忠実に作った方が映画はもっと面白くなったかも。
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