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「『忠臣蔵』事件の真相」 佐藤孔亮
投稿日 : 2003/12/25 22:34
投稿者 Excalibur
参照先
「当時の資料をもとに、事件の経過を読み解き、定説とは異なる真の史実を探り出す。」というのがカバーの謳い文句になっていた。「松の廊下刃傷の真相」から始まり、「浅野内匠頭長矩の謎」「吉良から見た忠臣蔵」・・・と事件の発端から終幕へと簡潔にまとめられている。また、「仮名手本忠臣蔵」成立過程の考察なども織り込まれていて興味深い一冊である。中でも注目すべきは「忠臣蔵を作った男・多門伝八郎」と題された章で、浅野内匠頭の取調べをした目付多門伝八郎の記録の信頼度は低く、今日史実と云われているものも多門の創作部分が多いのではないか、と疑問を呈しているのは新鮮。
ただ、刃傷に至る真相や内匠頭の為人等への言及が弱いのが残念ではある。わからないものはわからないとしておくという姿勢には共感を覚えるが、それでも著者なりの結論を導き出して欲しかった、とも思う。


2003.11.19初版   平凡社新書205
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